【女子プロ野球】10月7日から女王決定戦 京都フローラの“成長株”は自信「みんな心は1つ」

京都フローラ・村松珠希【写真提供:日本女子プロ野球リーグ】

ヴィクトリアシリーズ制覇の京都、正捕手の村松は“覚醒“の1年に

 日本女子プロ野球リーグ(JWBL)は今季、京都フローラが3年ぶりにヴィクトリアシリーズ優勝を飾った。10月7、8日に埼玉・川口市営球場で行われる女王決定戦では1勝のアドバンテージを持ち、2位の愛知ディオーネを迎え撃つことになる。

 今季は42試合で22勝14敗6分と強さを見せ、優勝を決めた京都フローラ。リーグトップの打率.318、197得点、5本塁打と高い攻撃力で埼玉アストライア、愛知ディオーネを上回り、チーム防御率3.25も1位。若い力で躍進したが、その象徴的存在となったのが、加入1年目で正捕手を務めた村松珠希だ。福知山成美高から2016年に育成チームのレイアに入団し、今季から京都フローラでプレー。持ち味の強肩に加え、124打数42安打の打率.339、18打点と打撃でも目覚ましい成長を見せてヴィクトリアシリーズ制覇に大きく貢献した。

 主に6番を打った村松は「今年のフローラは1~5番までがすごい数字を残しています。4番のキャプテン(岩谷美里)がそれまでのバッターを返してくれて、(自分も)出たランナーを返そうと思って打ってるというのもありました。そんなに数字は気にしてないんですけど」と話す。レイアでは、16年は打率.200、17年は打率.154だっただけに、まさに“覚醒”の1年となった。

「去年まではバッティングを期待される選手じゃなかったので、今、川口監督にすごく指導していただいて、打席で思い切りやらせていただいているので。何も考えずに自分のすることだけを打席で考えて振れているので、ヒットを打てているのかなと」

女王決定戦の対戦チームは未決定も「初回に点を取りたい」

 今季から京都フローラの監督を務めるのは、平安高(現龍谷大平安)で甲子園を沸かせ、その後、オリックスでもプレーした川口知哉氏。村松にとっては大きな“出会い”となったようだ。「初球から思い切り振るのが持ち味なので、女王決定戦でもそうしていければと思っています」と力を込める。

 昨年3位に終わった京都フローラは、なぜ3年ぶりのヴィクトリアシリーズ制覇を果たすことができたのか。村松は強さの理由について、ベテラン選手の存在が大きいと明かす。

「レイアから上がってきた選手が多く、若手がけっこう多いのですが、最年長になる小西(美加)さんだとか、先輩方が思い切りやらせてくれているというのがあります。守備のピンチになったときも真っ先に声をかけてくれるのは先輩方なので、(若手が)支えてもらっているのがチームにとってはいいことなのかなと思います。先輩の方が元気なときもあります(笑)。そういう面で盛り上げてくれてるのかなと感じながらプレーしてます」

 相手は愛知ディオーネに決まった。2戦先勝で京都フローラの1勝のアドバンテージは大きく、村松は「有利な状況なのには変わりないと思います。でも、1勝あるから負けていいやというのではなくて、初戦から決めていきたいというのはありますね」と意気込む。「立ち上がりはリズムよく守って、初回に点を取るとピッチャーも楽だと思いますし、守っている方も楽なので、初回に点を取りたいというのはあります。そこから守備に流れをもっていきたいですね」と決戦のプランを明かした。

「フローラは去年3位だったので、女王奪還がチームのはじめからの目標でした。そこを目指していきます。自分のポジションはキャッチャーなので、まずは守備からいい流れを持って攻撃に繋げられれば。あと、ピッチャーもたくさんいるので、それぞれのいいところを引き出していけるように頑張りたい。打撃面では初球からどんどんスイングできるように準備していきたいです。みんな優勝に向かって心は1つになっています」

“下剋上”を許すつもりはない。このまま「女王」の座へと駆け上がるつもりだ。(Full-Count編集部)

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