長崎くんち きょう開幕 最年少白ドッポ デビュー

 諏訪神社(長崎市上西山町)の秋の大祭、長崎くんちが7日開幕する。踊(おどり)馬場の盛り上げに欠かせない「長坂連白トッポ組」に昨年仲間入りした最年少、本多守人君(12)=長崎市立諏訪小6年=がデビューを果たす。

 長坂連は、諏訪神社での奉納の際にアンコールを意味する「モッテコーイ」や「ショモーヤレ」などの掛け声を率先して上げ、奉納が始まる前には桟敷席へ掛け声の練習を呼び掛けたり、退場しようとする踊町へ、歓声に応えるよう交渉したりする。白ドッポは白いトッポ袖(筒袖)の法被を着ていることが語源。

 本多君は、12歳にして筋金入りのくんち好き。母親の美穂さん(44)は「守人が保育園に通っていた頃、囃子(はやし)の音が聞こえると、一人でその踊町を追い掛けるような子だった」と振り返る。踊町の稽古始めを意味する小屋入り(6月1日)の頃になると、自分で買ったくんち関連の本やDVDを出してきて鑑賞しているという。踊町に出演した経験もあるが「今は見る方が好き」と本多君。美穂さんは「昔は采振(さいふり)をやりたがっていたのに。なんだか成長したなあ」とほほ笑んだ。

 本多君のくんち好きを知った美穂さんの知人が、本多君を「白トッポ組」に紹介し昨年8月に仲間入り。ただ、本格的に活動を始めたのは今年からだ。白ドッポの木村義和さん(60)は「実際にはまだ研究生という感じ」としつつ「当日、守人にも声は出させるけんね」と話す。

 本多君の指導係、草野知文さん(43)は「自分たちも先輩を見て覚えた。1年目はまず、現場の空気感を知ってもらう」と話し、今後について「長く頑張ってほしい」と期待を寄せる。

 今月3日に市内であった、踊町が本番で使用する衣装やお祝いの品などを披露する「庭見せ」では、「白トッポ組」の一員として各踊町へあいさつ回りに出掛けた。各町で先輩たちと「モッテコーイ」の声を出したことで、大きく声を出すこつもつかめたと言う。

 白ドッポはそれぞれ、名字の入った法被を着ているが、本多君はまだもらっていない。「自分も名前の入った法被をもらえるよう頑張りたい」と意気込みを新たにする。

 7日と9日、諏訪神社の奉納に併せ長坂で白ドッポとしての一歩を踏み出す本多君。「くんちが好きだから、楽しみでいっぱい。将来は、自分も大きな声を出して、お客さんにも大きく『モッテコーイ』と言ってほしい」と決意を示した。

白ドッポデビューを果たす本多君(中央)=長崎市出島町、出島和蘭商館跡

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