鈴鹿30回記念大会を楽しむ琢磨「マクラーレン・ホンダMP4-6で鈴鹿を走れるなんて」

 9月に2018年のインディカー・シリーズを戦い終えた佐藤琢磨は、今年も帰国して30回記念大会となる鈴鹿のF1日本GPに凱旋した。

 昨年はレース後表彰台のインタビュアーという大役を任されるなど、インディ500チャンピオンとして祝福されF1現役時代に匹敵する忙しさだった。

 今年も鈴鹿は琢磨の凱旋を喜んで迎え、レジェンドF1パレードのドライブを任せた。託された車はマクラーレン・ホンダMP4-6。ホンダF1最後のV12エンジンのマシンである。

 金曜日に鈴鹿入りした琢磨は、早速マクラーレンMP4-6のコクピットに収まってシートフィッティングをした。まるでオモチャを与えられた子供のように満面の笑顔を浮かべる琢磨。

 デモランのプラクティスには琢磨の他にも、中嶋悟、鈴木亜久里、中嶋一貴という日本人元F1ドライバーの他にも、ミカ・ハッキネンやフィリッペ・マッサのゲストドライバーも混じり、豪華な顔ぶれがピットを賑わせた。

 待機中、他のドライバーと談笑し昔のF1を見ながら回顧している。どのドライバーも、関係者も、現役のメカニックやドライバーたちも楽しそうだ。

 琢磨は初日にプラクティスで3周しか走行できなかったが、「やっぱF1は最高だね! このサウンドですよ。この車は電子制御なんてほとんどないけど、乗っていて楽しい。これで鈴鹿を走れるなんてうれしいですよね」と笑みが絶えない。

 琢磨はピット、パドックを歩くと、懐かしい顔に会い旧交を温めていた。特にハースの小松礼雄氏とは1年ぶりの再開。お互いの今シーズンの様子を語り合い、決勝レースへのエールを送っていた。

 琢磨のルーツでもあり、故郷とも言える鈴鹿に訪れ、友人知人、そして琢磨を応援するファンと共に、30回目の鈴鹿F1日本GPを楽しんでいた。

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