秋空に高く太皷山舞う 長崎くんち開幕

 江戸時代から続く諏訪神社(長崎市上西山町)の秋の大祭、長崎くんちが7日、開幕した。七つの踊町が演(だ)し物を奉納。踊馬(おどり)場には「モッテコーイ」「ヨイヤー」の声が飛び交い、桟敷席や長坂を埋め尽くす2700人の観客を沸かせた。

 長崎くんちは1634年、高尾と音羽の2人の遊女が、神前に謡曲「小舞」を奉納したことが起源とされている。奉納踊りは国指定重要無形民俗文化財。

 午前7時、紺屋町の美しい「本踊」(ほんおどり)で幕開け。大黒町の「唐人船」、出島町の「阿蘭陀(おらんだ)船」と異国情緒あふれる演し物が続き、小川町は「唐子獅子踊」で観客を魅了。東古川町の「川船」では寺田悠人君(10)が見事網打ちを成功させた。本古川町の「御座船」は迫力ある船回しで会場を盛り上げ、椛島町は「コッコデショ」の掛け声で、太皷山を台風一過の秋空に高く上げた。

 5年前に復活した流鏑馬(やぶさめ)神事も同神社中庭で奉納。午後には諏訪、住吉、森崎のみこし3基が元船町のお旅所へ向かう「お下り」や踊町の傘鉾(かさぼこ)が連なって進み回ったりする「傘鉾パレード」があった。

 9日まで同神社や鍛冶屋町の八坂神社、賑町の中央公園、お旅所での奉納踊りや市中心部での庭先回りがある。

諏訪の森にシャギリの音が鳴り響き、長崎くんちが開幕。椛島町の太皷山(コッコデショ)が秋空に高く上がる=長崎市、諏訪神社

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