【平成の長崎】熊本の市民団体が「ゴカイ救出作戦」―諫早湾 平成9(1997)年

 農水省の干拓事業で湾奥部を締め切られた諫早湾で1997年5月3日、干潟の生き物を救おうと有明海の対岸、熊本県荒尾市の市民グループ「ゴカイ救出作戦」を実施した。 グループは、荒尾周辺で海岸でアカウミガメの産卵のための環境づくりに取り組んでいる「海ガメを呼び戻す会」。
 この日は会員ら約20人が諫早市の小野島海岸に集合。事業に反対する地元住民の説明を受けた後、干潟に足を取られながら、トビハゼやゴカイ、アリアケガニなどを捕まえた。
 前日までの雨で元気を取り戻し、干潟の上を素早く動き回るカニに手を焼き「逃げないの。ここにいると死んじゃうよ」と声を掛ける会員もいた。
(平成9年5月4日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

諫早湾の干潟で消滅の恐れがあるゴカイやカニなどの生き物を「救出」する熊本県荒尾市の市民グループ=3日午後、諫早市小野島

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