【MLB 地区シリーズ】第5戦も先発か…米で絶賛、田中将大の「えげつない、えげつないスプリット」

レッドソックス戦で好投したヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

1勝1敗の五分に持ち込む好投「今でも勝負強い投手だと証明した」

 ヤンキースの田中将大投手は6日(日本時間7日)の地区シリーズ第2戦レッドソックス戦で5回3安打1失点4奪三振1四球と好投し、チームを6-2での勝利に導いた。1勝1敗のタイとして、8日(同9日)の第3戦から2試合はヤンキースタジアムで宿敵と対戦する。米メディアは、レッドソックス打線を抑える上で“宝刀”スプリットが鍵になったと指摘。2勝2敗で最終戦までもつれた場合には、第5戦で田中が再び先発すると予想している。

 ジャッジ、サンチェスの一発などで援護をもらった田中は、4回にボガーツにホームランを打たれたものの、その他は危なげないピッチングを披露。レギュラーシーズンでメジャー最多の876得点を叩き出した強力打線をわずか1点に抑え込んだ。

 米メディア「ジ・アスレチック」は「タナカはスプリットを駆使し、ヤンキースのレッドソックス戦での勝利で今でも勝負強い投手だと証明した」とのタイトルで特集を組み、田中に“被弾癖”があることを指摘しつつ、「タナカは土曜日の夜に素晴らしかった。彼はレギュラーシーズン最後の2登板がそれぞれ4イニングに終わるという不安な結果となったが、そこから持ち直し、ヤンキースが最も必要とした時に最高の登板をした」と指摘。昨年に続き、ポストシーズンで勝負強さを発揮した田中を称えた。

 記事では、田中がレギュラーシーズン最終登板後に「下半身の使い方に取り組み、スプリットのキレを取り戻した」という事実を紹介。「タナカの4奪三振は全てスプリットで奪った。彼はレッドソックス戦でスプリットに大きく頼った。78球のうち、スプリットを33球投げた(42%)。レギュラーシーズンではスプリットを32%弱投げていた」。レッドソックス戦で“宝刀”の割合を増やし、実際に大きな効果を発揮したと伝えている。

「勝者を決めるボストンでの第5戦が必要となったら、タナカが先発するだろう」

 また、田中はわずか78球で降板したが、レギュラーシーズンでは3巡目以降で被OPS(出塁率+長打率)が跳ね上がっていたと、早期降板の“根拠”を紹介。5回1失点という結果について「彼はチームメートがこの夜に必要としていたことを達成した」と評価している。

 ヤンキースは第3戦でエース右腕セベリーノ、第4戦ではベテラン左腕サバシアが先発する予定。再び敵地に舞台を移す第5戦までもつれ込んだ場合、初戦でKOされた左腕ハップを中5日で先発させるか、好投した田中を中4日で投げさせるか、選択することになる。記事では「勝者を決めるボストンでの第5戦が必要となったら、タナカが先発するだろう」と予想している。

「タナカの登板は、ブーンがどのように投手陣を管理するのかというプレビューとなった。つまり、打順が2巡したら、すぐにブルペンである。えげつない、えげつないスプリットを投げる優れた右腕は、ヤンキースに勝ち進む可能性を与え、その過程でこの10月に信頼できる存在だと証明した」

 ヤンキースは強力なブルペン陣を誇る。ただ、当然ながら先発が5回までであってもしっかり試合を作れなければ、勝ちパターンに持ち込めない。第1戦の過ちは繰り返せないだけに、スプリットを武器に強力打線を圧倒した田中が、最終決戦のマウンドに送り出される可能性は高そうだ。(Full-Count編集部)

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