号砲 県議選 16選挙区の構図⑥

◎五島市区(定数1) 現職と新人 出馬意向

 2006年の県議補選以降、4回連続で自民候補に競り勝ち、五島市区での議席を守ってきた無所属現職の山田博司。その“始まり”とも言える選挙で、山田に45票差の大接戦の末に涙をのんだ新人、林睦浩が今回、満を持して再び自民から出馬を予定している。
 「あの時とは経験も知名度も違う」。同市議2期目の林はこう言葉に力を込め、12年前の雪辱を誓う。
 同市区は16選挙区で唯一、自民県議が不在。同僚市議や他選挙区の県議の支援を力に自民の議席奪還を狙う林は「組織票頼みではなく、今までとは違う選挙戦を進める」と若い世代の取り込みも図る。この1年、精力的に地域回りを続け、演説会や早朝のつじ立ちにも地道に取り組んでいる。
 一方、山田は県議会の合間を縫って地元のイベントなどに顔を出し、住民らと積極的に言葉を交わす。公民館に十数人を集めて開く県政報告会は、前回県議選の2年ほど前から数えて通算約170回を数える。
 次期衆院選への出馬意向を表明しながらも、県議選の準備も着々と進める山田。「島民の声を力に、多くの相談を受け実現してきた。積み上げた実績が違う」と自信を見せる。

 ▽立候補予定者
林  睦浩 49 自新
山田 博司 48 無現(4)

◎壱岐市区(定数1) 現職3期目目指す

 自民現職の山本啓介が3期目を目指し、足固めを進めている。ほかに目立った動きはなく、地元市議、労組関係者らの間では「前回に続き、今回も無投票ではないか」との見方が強まっている。
 山本は、県議としての政治活動を紙だけでなく、会員制交流サイト(SNS)も活用して積極的に発信。壱岐市内の全小学校区ごとに後援会世話人を置き、年内に全小学校区で県政報告会を実施する予定だ。無風とみられる情勢にも「任期を全うし、選挙の準備にも全力を尽くす」と気を引き締める。(山本泰久)

 ▽立候補予定者
山本 啓介 43 自現(2)

◎島原市区(定数2) 現職2人 立候補か

 定数2となった2007年以降、前回初めて自民が議席を独占した島原市区は、山本由夫と大場博文の現職2人が立候補の構えだ。前回、無所属で4選を目指しながら苦杯を喫した楠大典らの名前が「非自民」の受け皿として取りざたされているが、今のところ現職以外に動きは見られない。
 14年の補選で初当選した山本、その補選の雪辱を前回果たした大場とも県議歴は浅い。山本は「まだまだ知名度が低い。全ての地区で浸透を図りたい」、大場は「市議時代からの後援会を基盤に前回同様、草の根運動を徹底したい」と、それぞれ出馬準備を急ぐ。
 =文中敬称略=

 ▽立候補予定者
山本 由夫 57 自現(2)
大場 博文 52 自現(1)

 【お断り】立候補予定者名簿の政党は衆院勢力順(自民=自、立民=立、国民=国、公明=公、共産=共、社民=社、無所属=無)。政党内は現職-元職-新人の順で、当選回数(丸数字)ごとに五十音順。所属は公認申請予定を含む。

© 株式会社長崎新聞社