夢は全国トップのブレークダンサー 佐世保工業高1年

 全国トップクラスのブレークダンサーを目指す高校生が佐世保にいる。県立佐世保工業高1年の上原悠太さん(16)は、夢の実現と競技普及への思いを胸に、日々汗を流している。
 本格的に始めたのは6歳のとき。両親が人気グループ「EXILE(エグザイル)」のファンで、自宅のテレビではライブDVDが流れていた。上原さんは、メンバーのダンスを見よう見まねで“コピー”。それを見た両親の勧めで、佐世保市内の教室に通い始め、ブレークダンスと出合った。
 頭や手のひらなどを軸に、勢いよく回転するアクロバティックな動きに魅了された。技ができたときの達成感は格別だった。週1回の教室に加え、自主練習を重ね、磨きをかけた。4月に福岡で開かれた大会で準優勝。8月には、世界大会などを開く実行委が主催した、若手ダンサーを育成する合宿に九州から唯一参加した。
 「同じ技でも姿勢が少し変わるだけで、見え方はまったく違う。挑戦の連続」と向上心は尽きない。「全国の人に自分の名前を知ってほしい。簡単ではないのは分かっているが、将来はダンスで生きていきたい」と夢を語る。
 後進の育成にも励んでいる。市内のダンススタジオで週に1回、小学生を教えている。小さいころの自分と、目の前の幼いダンサーを重ね、「生徒が踊れるようになったら自分もうれしい。刺激をもらっている」と笑う。
 ただ、悩みもある。佐世保は都会に比べ練習環境は悪く、ダンスへの理解も進んでいない。屋外で練習中に、心無い言葉を掛けられることもあるという。「やんちゃで悪いイメージがある。ブレークダンサーも、ほかのスポーツと同じアスリート。応援してほしい」。トップクラスのダンサーになれば、こうした環境を変えることができる、と信じている。

夢の実現と競技普及への思いを胸に活動する上原さん=佐世保市俵町、Dancebox ZERO

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