東京急行電鉄、東京に同社初の保育園連携型オフィス

祐天寺駅ビルの外観(東京急行電鉄提供)

東京急行電鉄は10月1日、東京・祐天寺に同社初となる保育園連携型オフィス併設の駅ビルを開業した。6階建てで、1階は商業施設、2階に保育園が入り、3~6階がスモールオフィスという構成。オフィス入居者は保育園に優先的に入園できる。シェアラウンジやルーフトップテラスを設け、園児とオフィス入居者の交流イベントも開催する予定。同社は駅ビルを通じ、園児と入居者のそれぞれが共に成長するサステナブルな街づくり、人づくりを目指すという。 (オルタナ編集部=中島洋樹)

今回、祐天寺に保育園連携型オフィス併設の駅ビルを開業した理由について、同社広報部広報企画課の担当者(以下、担当者と表記)は、「都心と住宅街の中間地点であり、新たなライフスタイルを実現できる街として人気が高かったため」と説明する。

祐天寺は、渋谷から各駅停車で10分以内の近距離でありながら、昔ながらの商店街も残っている。最近は代官山や中目黒などの流れを汲む個性的な店舗も増えており、流行の受け入れに寛容で、肩肘張らないライフスタイルが実現できるエリアとして人気を集めているそうだ。

スモールオフィス(東京急行電鉄提供)

今回開業した駅ビルは全6階建て。1階部分が「東急ストア」や「スターバックス コーヒー」など7店舗・施設の入居する「etomo(エトモ)祐天寺」と名付けられた商業施設。2階部分は企業主導型保育園(企業が従業員の子どもを預かるために設置した保育園のこと)「KBCほいくえん祐天寺」、3~6階部分がスモールオフィス「Pointline YUTENJI」となっている。このスモールオフィスは、同社とリアルゲイト(東京・港、岩本裕社長)の提携で運営している。

スモールオフィスの入居者は、2階の保育園に優先的に入園できる。

シェアラウンジ(東京急行電鉄提供)

担当者は、「今回の駅ビル開業により、全てが解決できるわけではないが、スモールオフィスで働くママさんが、同じビルの保育園にお子さんを預ける。休憩時間や業務終了後に、商業施設で食事や喫茶、買い物ができることにより、同じ建物でできるだけ用事を済ませることができるよう、その一助となることを目指した」と駅ビルの効果を期待する。

これまで祐天寺から移動して職場に行く、子どもを保育園に預ける、買い物をするといった、それぞれ別々の場所で行わざるを得なかったものを、できる限り同じ建物内で済ませられるようにし、働く女性を応援しようというものだ。

ルーフトップテラス(東京急行電鉄提供)

同ビルは共用部分として、シェアラウンジやルーフトップテラスも設けている。シェアラウンジはオフィス入居者以外の保育園児の保護者もワーキングスパースとして利用できる。ルーフトップテラスでは、保育園児とスモールオフィス入居者の交流を目的とした各種イベントの開催も予定しているという。

担当者は、「保育園連携型オフィスを併設した駅ビル事業は、今までにない新しい取り組みであり、今後も当社沿線で実現化に向けて注力していく」と説明した。これにより、育児と仕事の可能性を広げ、「自分らしいライフスタイルの形成」による職住接近を実現させ、サステナブルな街づくり、人づくりに取り組んでいくとしている。

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