無断で砂利敷設の原城跡 広場封鎖、駐車禁止に

 世界文化遺産登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つ、原城跡(長崎県南島原市南有馬町)の二ノ丸跡の広場に市が文化庁に無断で砂利を敷いた問題で、市は広場を封鎖し、一般の駐車を禁止した。市職員が観光客の車両を900メートル離れた原城温泉真砂の駐車場へ誘導し、本丸跡まで徒歩で来訪してもらうよう案内している。
 市は5月、史跡内の工事を委託された業者が10トントラックの資材積み替え場として使うため、広場の約300平方メートルに砂利を敷設した。広場は来訪者が多い本丸跡に近く、観光客も駐車場として使用する状況を市は容認。9月の専門家会合で指摘され、駐車場利用の中止と現状復旧を県から指導されていた。
 封鎖と誘導は9日午後から急きょ対応。駐車禁止を伝える看板を立てたほか、近く市ホームページでも周知を図る予定。市は「文化庁から指示を受け次第、適切に対応する。本丸跡までお客がアクセスしやすいよう輸送対策を早急に取りたい」としている。

砂利が敷かれたまま封鎖された二ノ丸跡の広場=南島原市、原城跡

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