トピー工業、異形鉄筋「コンパクトコイル」を来週発売 高密度巻き取り、加工生産性向上、月間3000トン目指す

 トピー工業(社長・高松信彦氏)は異形鉄筋を高密度でコイル状に巻き取ったコンパクトコイル(商品名・TACoil=ティーエーコイル)を来週19日に発売する。コンパクトコイルは高い加工生産性と省人化のメリットにより海外で普及が進むが、国内メーカーによる製品化はトピー工業が初めて。同社では、2018年度は月3千トンの販売を目標とし、加工機メーカーとも協力して顧客ニーズに応えることで、1年後には月5千トンの販売を目指すとしている。

 発売するコンパクトコイルはD10、13、16の3サイズ。鋼種はSD295AとSD345。長さはD10が1800メートル、D13が1千メートル、D16が640メートル。コイルの外径は1115ミリで、高さは500ミリ。コイルの重量は1トン。コイル重量については、顧客ニーズに応じて来秋には2トンコイルへの大型化を計画している。

 コンパクトコイルを生産するため豊橋製造所(愛知県豊橋市)にスチール事業部では初となる海外製(イタリア・ダニエリ社)の製造設備を約50億円かけて導入。試験圧延を経て、先月下旬には鉄筋コンクリート用棒鋼(G3112)のJIS認証を取得した。

 コンパクトコイルは専用のNC加工機を使用することで直棒に比べ約4~5倍の加工生産性向上が見込める。またロスがほぼ出ないため歩留まり向上にも寄与する。

 高密度に巻かれているため、置場の省スペース化も可能。直棒との比較では70%、バーインコイルでは50%の省スペース化につながるとしている。

 発売を目前に控え、スチール事業部では「これまでのプレセールスでも手応えを感じている。TACoilは鉄筋加工のあらゆる無駄を削減できる製品。ぜひ幅広いお客様にお届けして、それぞれの未来に貢献したい」と意気込みを語っている。

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