【平成の長崎】磯釣り公園の整備進む 高島町 石炭から観光の島へ 平成8(1996)年

 石炭の島から海洋レジャーアイランドへー。平成8年3月、西彼高島町はいそ釣り公園や海水浴場などの整備を進めており、平成9年7月には、その一部がオープンする。
 明治以来、石炭の島として発展してきた同町だが、昭和61年に閉山、今年で10年目を迎えた。最盛期に2万人を超えた人口も現在約1100人に減少している。
 同町では、豊かな海洋資源を生かし、水産業や観光の振興で島を再生させようと、マリノベーション拠点漁港漁村総合整備事業(水産庁)が平成3年にスタートした。キャッチフレーズは「石炭を魚にかえて島おこし」。
 目玉はいそ釣り公園。高島と無人島の飛島を橋で結び、飛島に釣台を造る計画。飛島はこれまでも釣りファンが船で渡る好漁場だ。近くの漁港に音で魚を餌付けするシステムを整備し、マダイやチヌなどを放流。家族で楽しめる本格的釣り公園の誕生が期待されている。
 また、炭鉱のイメージを一新しようと平成元年から55棟の老朽炭鉱住宅を解体中。現在12棟を残すだけとなり、跡地はミニゴルフ場への転用を検討している。8年度からは新庁舎兼ふれあいセンターの建設にも取り掛かり、2年後にはざん新な建物がお目見えする。
 4月28日、豪華景品を用意した第1回釣り大会を開催する。長崎港から高速船で約35分の高島。どれだけジャー客を呼び込めるかが島の活性化の鍵だ。(平成8年3月26日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。
 

建設が進む飛島磯釣り公園(左が無人島の飛島)
建設が進む飛島磯釣り公園(中央が無人島の飛島)

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