サンエツ金属、黄銅線流通で新子会社 高崎金属から事業取得

納期対応力、提案力でシナジー

 黄銅棒・線製品の大手メーカー、サンエツ金属(本社・富山県砺波市、社長・釣谷宏之氏)は11月1日をめどに線製品流通の新子会社「サンエツ商事」の営業を開始する。新会社はサンエツ金属傘下の黄銅・ステンレス線流通ヤシマ(本社・埼玉県三郷市)を吸収合併するとともに、同日付で高崎金属(本社・同県春日部市)から黄銅やステンレス線などの販売事業を取得し営業を始める。納期対応力と技術に裏打ちされた提案力でシナジーを発揮し顧客の利便性を向上させる。

 サンエツ商事は関東地区で最大規模の黄銅線流通となる。社長はサンエツ金属の釣谷宏行社長が兼務する。

 ヤシマは黄銅線や銅線など銅系の線製品を月間35トン、ステンレス線を月間60トン扱っているほかアルミやチタンの線材もそろえている。小ロッド品も即日配送できる納期対応力が強みとなっている。

 高崎金属はサンエツ金属の黄銅線やりん青銅線など銅系の線製品を月間35トン、ステンレス線を月間25トン扱っている。顧客の品質・生産性向上に最適な素材選択をサポートできる知見が強み。経営者交代後も事業を安定運営したい同社と、黄銅線の商圏を維持したいサンエツ金属の考えが一致し、今回の事業譲渡が決まった。

 新会社のサンエツ商事は本社機能と在庫拠点を顧客であるネジなどのメーカーから近い埼玉県加須市に置く。倉庫は約200平方メートル・事務所は約60平方メートルで、敷地面積は大型トラックが荷物の積み降ろしができるよう約1千平方メートルを確保した。

 販売量は銅系の線製品月間70トン、ステンレス線月間85トンとなる。納期対応力と技術的知見の融合に加えて、品ぞろえの拡大による提案力向上でもシナジーが出る。サンエツ金属ではサンエツ商事に工場や経理の管理職経験者を派遣。技術提案の知見をスムーズに引き継ぐほか、管理体制を強化する。

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