OIRC team YTB ポルシェカレラカップ ジャパン2018 第11戦鈴鹿 レースレポート

OIRC team YTB
2018PCCJ(ポルシェカレラカップジャパン)
第11戦(鈴鹿サーキット)レースレポート

#19
ドライバー:片山義章(かたやま よしあき)ポルシェ ジャパン ジュニア
生年月日:1993年11月13日
身長:168cm
体重:65kg
血液型:O型

OIRC team YTBポルシェカレラカップ速報(第11戦 鈴鹿サーキット)

「世界へ羽ばたけ!ファイナルバトル」

 4月に開幕したPCCJ(ポルシェカレラカップ ジャパン)も10戦の戦いを経て、いよいよファイナルバトルへとなった。『聖地』と言われる鈴鹿サーキットでは、レースファンが待ちわびた『F1グランプリ2018』が開催され、PCCJはその併催レースとして週末の盛り上げにひと役買った。

 不安定な天候が予想される週末を迎えるなか、木曜日から開放されたサーキットには多くのファンが訪れ、賑わった。金曜日に行われた練習走行では、開始早々にコースオフしバリアにヒットする車があり赤旗が出ると、コースダメージが大きく、再開されることはなく終了となってしまった。

 #19片山義章(OIRC team YTB)は「開始早々からコースアウトする車が多く、赤旗になる前にニュータイヤを履きたかったのですが、何もできないまま終わってしまった練習走行となりました。明日はもう予選なので前回の鈴鹿のセットアップを元にマットと詰めて挑みたいと思います」と気持ちを切り替え、笑顔を見せた。

【予戦 ウエットからドライへ】

 小雨が降り続く鈴鹿サーキット。時折雲の切れ間から陽が差し込むと汗ばむなど、各チーム、セットアップを『ドライ(晴れ)』用にするか、『ウエット(雨)』用にするか、難しい判断を迫られた。

 #19片山は、エンジニアのマットとミーティングを重ね『ウエット』用セットで臨むことを選択し、ピットガレージを後にした。予選開始まで20分、雨は上がり路面がみるみる乾いて行くかと思えば、また雨がパラパラと落ちてくるという非常に難しい状況が続いた。

 10時45分、続々とマシンがコースインをして行く。#19片山の車には、ルーフと車内にカメラが設置されており、サーキットビジョンに時折車内の映像が映し出されるなどいつもとは一味違う演出もあり、応援するファンには一層手に汗握る実況となった。

 雨は上がり路面はみるみる乾いてくると、#19片山は3周目の終わりにピットイン、ドライタイヤに履き替えてコースへ戻りアタックを開始するも『ウエット』に振ったセッティングの車は十分なスピードが得られず、7位で予選を終えた。

【片山義章コメント】

 予選に向けてピットを離れる時間から、コースサイドで待っている間は雨だったので、車のセットアップもウエットでタイヤもドライタイヤは1セットしか運んでないなか、予選開始直後から晴れ間が見えるほどになって路面がどんどん乾いて行ったので『ドライ』に履き替えて出て行きたかったんですけど、1セットしかなかったのでウエットのままで、出て行ったのですが最初からドライの方がペースが良かったので、3周目にピットに入ってドライタイヤに履きかえました。

 コースに戻ってアタックしましたが、ウエットセットでは十分なスピードが発揮できず、7位という結果になってしまいました。明日のレースに向けては自信があるので開幕戦の再現を(優勝)したいと思います。

【第11戦 歓喜の鈴鹿を5位で締めくくる】

Rd.8:予選:7位 決勝:5位

 心配された台風が外れた鈴鹿サーキットは、朝から晴れ渡り、真夏の再来を思わせる陽気となった。金曜日3万人、土曜日5万人、そして決勝日は8万人、週末を通して16万人ものファンで賑わった鈴鹿F1グランプリとの併催レースはPCCJに参加する全てのドライバー、チームの気持ちを奮い立たせた。

 予選で7位に沈んだ#19片山は「スタートは得意なんですけど、PCCJは百戦練磨の人達が多くスタートも皆さん上手いので負けないようにしないと」とレース前に語り、車に乗り込んだ。

 10時55分、スタート前進行が始まると各車がピットレーンからコースへと入って行く。何度も何度も走った鈴鹿、しかし今日の景色は違う。スタンドを埋め尽くすファン、振られる世界中の国旗、『世界』を感じながらスターティンググリッドへと向かった。

 シグナルがブラックアウトしPCCJ2018ファイナルバトルがスタートすると、ポールポジションの#18上村優太(PORSHE JAPAN)がまさかのスタート失敗、3位から抜群のスタートをした#7星野敏(D’station Racing)が一気にトップに躍り出た。

 #18上村は、予選2位でシリーズランキング1位の#78近藤翼(SKY RACING)にも先行され3位に後退、#78近藤の前に出ることがシリーズチャンピオンへの挑戦権な状況のなか手痛いミスとなった。

 4位に#20鈴木宏和(Water Wolf Raching Japan)、5位に#98IKARI(Bionic Jack Raching)、6位に#19片山と続いた。

 #19片山は得意のスタートでジャンプアップをイメージしていたようで、「1コーナーまでに1台、S字で1台、ダンロップでもう1台抜こうとイメージしていました。」と語り、レースでも1コーナーに続きダンロップコーナーで#98IKARIを抜いて5位へと浮上、次のターゲットである#20鈴木を猛追すると、ホームストレートで並びかけ、イン側から1コーナーへ入り観客席からも歓声が上がったが、車はオーバーランし#20鈴木に取り返されたものの、縁石に大きく乗りながらも踏み留まり、#20鈴木の背後に迫り追走を続けた。

 自己ベストを更新しながら#20鈴木と共にトップ3台のグループを追った。7周目が終了し、5位の#19片山までが3.4秒の中に入ってくる混戦模様となり、#19片山の周囲も活気付いてくる。9周目の2コーナーで#18上村が、#78近藤をパスし2位へと浮上した。

 ところが#19片山は8周目からペースダウン、タイヤを痛めてしまいペースが上がらず先頭グループへバトルを仕掛けられない、レースは最終周の最終コーナーで星野がミスをして上村、近藤が一気に詰めるも0.1秒差で星野が逃げ切り、自身オーバーオールクラスでの初優勝を57歳で達成する偉業を成し遂げた。

 #19片山は5位、12ポイントを獲得しシリーズランキング6位(108pt)となった。PCCJは全日程を終了し、シリーズチャンピオンは、#78近藤翼(SKY RACING)が2度目の栄冠を手にした。

【片山義章コメント】

 勝つためには予選で一つでも前にいることが必要なんですけど、7位からのスタートになってしまったので、抜き所を決めていてスタートして1コーナーで1台、S字からダンロップで1台、デグナーで1台抜いて、星野さんが前に現れると思っていたので表彰台をかけて星野さんとバトルになるな!って思ってたんですけど、星野さんは1番前にいましたね。

 それでもイメージ通り2台ほど抜いて、3台目の#20鈴木さんにも仕掛けたのですが捉え切ることはできませんでした。それでもトップが見える位置で追いかけたんですけど、残り3周くらいからタイヤが終わってしまってペースが落ちてしまってそのまま5位でゴールしました。

【最終戦を終えて】

 デビュー戦でいきなりの勝利で始まったPCCJ 2018シーズンでした。ずっとフォーミュラをやってきたので、そこからポルシェの難しさとの戦いになって、車も参戦している人も違っていて、F3とポルシェが交互にレースウィークが来る状況だったので、合わせて行くのに本当に苦労しました。

 振り返れば少しの修正でもっと上に行けたレースがたくさんあったので、力を出しきれなかった悔しい1年でした。応援してくださったスポンサーの皆様、ファンの皆様、ありがとうございました。

 結果は喜んでいただけることにはなりませんでしたが、PCCJに挑戦できたことは本当に良い経験になりましたし、楽しくもあったので皆様にも楽しんでいただけたと思って感謝の言葉とさせてください。本当にありがとうございました。これかも皆さんの応援と共に次の戦いへと挑戦して参りますのでよろしくお願いします。

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