『Times』は9日、「元マンチェスター・ユナイテッドのMFマイケル・キャリックは、アーセナルに加入する寸前だった」と報じた。
10月18日に新しい自伝「Between the lines」を発売するキャリック。マンチェスター・ユナイテッドで長くプレーし、今夏の引退後はコーチとしてクラブに残っている。
しかし、彼はウェストハムに所属していた2004年夏、当時プレミアリーグを席巻していたアーセナルに加入する可能性がかなり高くなっていたというのだ。
マイケル・キャリック 「家に帰る途中、電話が鳴った。またアーセナルからだ。アーセン・ヴェンゲルと会ってほしいと頼まれた。
一時間も経たないうちに、僕はアーセン・ヴェンゲルの家の前にいた。自分の頬をつねりながらね。
こんなことが起こるのか?アーセナルだよ!無敗優勝を達成したばかりのインビンジブルズと契約しにいくなんて本当なのか?
我々はサッカーについて一時間弱話した。ヴェンゲルは週末にコミュニティ・シールドを控えていたが、それだけの時間を使ってくれたよ。間違いなく僕に関心を持っていると確信できた。
『カーディフに行かなければならないから、また月曜日に会おう』とヴェンゲルは言った。
そして日曜日、僕は家でアーセナルの試合を見たよ。コミュニティ・シールドだ。マンチェスター・ユナイテッドが相手だった。
そこで見たのは子供だった。まだ17歳のセスク・ファブレガスだ。パトリック・ヴィエラのポジションで起用されていた。
彼はいいプレーをしていた。しかし、それについてはあまり考えていなかったんだよ。日曜の夜、僕は家で電話を待っていたよ。明日の予定を決めなきゃならない。なんせアーセナルだ!待ちきれずにね。
しかし、待てども待てども電話は来ない。次の日にはウェストハムの練習に行かなきゃいけなかった。
その道すがら、代理人のデイヴィッド・ガイスが『デイヴィッド・デイン(当時のアーセナル副会長)から連絡が来た』と言った。そしてメッセージが送られてきた。
“すまない。監督は『マイケルは必要ない。ファブレガスが出てきた。申し訳ないが取引はキャンセルだ』と言っている”と。
ファブレガスのパフォーマンスが、僕を求めていたアーセン・ヴェンゲルの心を変えてしまったんだね。
荒れ果ててしまったよ。もうアーセナルに行く気だったからね。あのタレントたちと一緒にプレーする気になっていた。
心ここにあらずだよ。アーセナルは僕をフッた。何をして良いのかわからなくなったね」