キャリック、辛すぎる“うつ”との戦いを告白

マンUのアシスタントコーチとして活動中のキャリック氏 photo/Getty Images

かつてマンチェスター・ユナイテッドに選手として在籍し、現在は同クラブのアシスタントコーチとして活動しているマイケル・キャリック氏が、現役時代を回想した。

同氏は英『The Times』のインタビューに応じ、2008-2009シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝(バルセロナ戦/0-2で敗北)終了後の心境を告白。長きにわたり鬱状態に悩まされたことを明かした。

「あれ(CL決勝での敗戦)は僕の選手キャリアの中で最も大きな挫折だった。前のシーズンにチャンピオンズリーグを制していたけれど、それは全く意味を成さなかった。本当に落ち込んだし、鬱病のような感じに見舞われたよ。一回限りのことじゃなかったから、鬱病という言い方をするんだ。いくつかの試合の後、僕は酷い感覚に襲われた。ただ、数日後にはそれを乗り越えられる。奇妙な感覚だったよ」

また、同氏は前述の鬱状態が南アフリカW杯(2010年)の時期まで続いたことを明かしている。

「僕の夢はW杯に出場することだったはずなのに、あの時は家に残りたいという気持ちになった。僕の家族でさえ、あの当時僕の身に何が起こっていたのか、全てを知っているわけではないと思う。(当時)僕と共にプレイしていた選手たちも、(キャリック氏が鬱状態に陥っていたことを)今回初めて知ったんじゃないかな」

世界中の人々の視線に晒され、常に最高のパフォーマンスを求められるトップアスリート。今年6月にGKジャンルイジ・ブッフォン(パリ・サンジェルマン)が鬱病に悩まされた過去を明かし話題となったが、百戦錬磨のフットボーラーをもってしても、多大なプレッシャーと向き合うことは困難を極めるということだろう。

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