軍艦島「30号棟」「日給社宅」3Dデータ公開 「100年前の時代に触れて」 軍艦島デジタルミュージアムで12日から

 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」に含まれる「端島炭坑」(軍艦島)の歴史や暮らしを紹介する軍艦島デジタルミュージアム(長崎市松が枝町)は11日、国内最古の鉄筋コンクリート造アパート「30号棟」と、炭鉱労働者が住んだ「日給社宅」5棟(16~20号棟)の外観と内部を見られる3Dデータを披露した。12日から一般公開する。
 30号棟は1916年、日給社宅はその2年後に建設された。3Dデータは長崎市の建築家で芸術工学博士の中村享一さん(67)が制作。日給社宅の築100周年を機に同ミュージアムで公開することにした。
 同日あったセレモニーで中村さんは30号棟について「廊下の幅が広く、階段が緩やか。高層住宅と言うより、長崎の路地のような歩きやすい空間をつくり、縦に積んでいったのではないか」と解説。「100年前の時代に触れることで、自分たちの未来がどのように変わるか考えることができる」と語った。

30号棟と日給社宅の3Dデータが公開されたセレモニー=長崎市、軍艦島デジタルミュージアム

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