長崎南山小でクエ陸上養殖 海の恵み、命の大切さ考える 日本財団のプロジェクト 体長17センチ10匹 本年度末まで

 小学校で魚を養殖し、子どもたちに命の大切さを学んでもらう「陸養プロジェクト」が11日、長崎市音無町の長崎南山小(近藤角也校長、266人)で始まり、児童たちがクエの稚魚10匹を迎え入れた。
 水産資源や海に関心を持ってもらおうと、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環で全国6校の5年生を対象に初めて実施。青森と愛媛はヒラメ、東京と長崎はクエ、富山はサクラマスを育てる。
 受け入れ式に先立ち、全校集会で6年の坂本一桂君(10)が「1匹も死なさず、みんなで協力して頑張る」、島田有華さん(11)が「海の恵みと命の大切さを考える」とそれぞれ決意表明。式ではNPO法人「日本養殖振興会」の齊藤浩一代表理事(51)からバケツに入った体長17センチのクエを児童が受け取り、円形の水槽(直径約90センチ)に移した。
 元気よく泳ぎ回るクエに「小さいね」「かわいい」と子どもたち。齊藤さんから餌やりや掃除などの方法を教わった。水槽の水は別容器の中に入れたスポンジやさんご砂でろ過し、循環する仕組み。海水に近い塩分濃度の水を作り、定期的に入れ替えていく。
 養殖期間は本年度末まで。育てたクエを最終的に食べるかどうか、子どもたちが話し合って決める。

クエの稚魚を水槽へ移す児童=長崎市、長崎南山小

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