CSでの下剋上の確率は24% 日本シリーズ進出は2位が4回、3位は2回

広島・緒方監督(左)、西武・辻監督【写真:荒川祐史】

ファーストステージは3位チームが勝ち越し、条件はほぼ互角

 2004年に始まったパ・リーグのプレーオフの時代を含め、クライマックスシリーズ(CS)は、パが14回、セが11回行われた。中にはペナントレースの下位チームが、上位チームを倒して日本シリーズに出場するドラマチックな「下剋上」もあった。

 CSには、ペナントレースの1位、2位、3位のチームが出場できる。

 2位、3位のチームがファーストステージを戦って、ファイナルステージで1位のチームと日本シリーズ出場権をかけて戦う。

 ペナントレースの順位別に、CSでの勝敗を見ていこう。CS1はファースト、CS2はセカンド。ファイナルステージの1勝のアドバンテージは含まない。

3位チーム トータル53勝67敗2分 勝率.442
 CS1 34勝30敗1分 勝率.531
 CS2 19勝37敗1分 勝率.339

 ファーストステージでは3位チームが勝ち越している。

 3位チームは敵地での試合になる。また引き分けでも負けと同じだ。0.5勝のアドバンテージが2位チームにあるのだが、その差で敗退したのは2014年の広島だけ(2位阪神が勝ち抜け)。ファーストステージは、ほとんどイーブンな条件で戦うことになる。今年パ3位の日本ハムと2位ソフトバンク、セ3位の巨人と2位のヤクルトも、ほぼ互角だといっていいだろう。

 3位からの下剋上は2回しかない。

 パ・リーグ、2010年のロッテはファーストステージで2位西武を2勝1敗で下し、ファイナルステージで1位ソフトバンクを4勝2敗(アドバンテージを含めれば4勝3敗)で下して日本シリーズに出場した。

 セ・リーグ、2017年のDeNAはファーストステージで2位阪神を2勝1敗で下し、ファイナルステージで1位広島を4勝1敗(アドバンテージを含めれば4勝2敗)で下して日本シリーズに出場した。

 2017年のDeNAは日本シリーズでソフトバンクに敗退したが、2010年のロッテは勢いを駆って中日を4勝2敗1分で破り、3位から日本一になっている。

2位からの下剋上4チームのうち3チームは日本シリーズも制覇

2位チーム トータル55勝59敗1分 勝率.482
 CS1 30勝34敗1分 勝率.469
 CS2 25勝25敗0分 勝率.500

 2位チームはファーストステージでは3位チームにやや分が悪いが、ファイナルステージでは3位チームよりも善戦している。

 2位からの下剋上は4回。

 パ・リーグ、2004年(当時プレーオフ)の西武は第1ステージで3位日本ハムを2勝1敗で下し、第2ステージ(5回戦制、アドバンテージなし)で1位ダイエーを3勝2敗で破って日本シリーズに出場した。

 パ・リーグ、2005年(当時プレーオフ)のロッテは第1ステージで3位西武を2勝0敗で下し、第2ステージ(5回戦制、アドバンテージなし)で1位ソフトバンクを3勝2敗で破って日本シリーズに出場した。

 セ・リーグ、2007年の中日は第1ステージで3位阪神を2勝0敗で下し、第2ステージ(5回戦制、アドバンテージなし)で1位巨人を3勝0敗で破って日本シリーズに出場した。

 セ・リーグ、2014年の阪神は第1ステージで広島を1勝1分で下し、第2ステージ(6回戦制、アドバンテージあり)は4連勝で1位巨人を破って日本シリーズに進出した。

 この4チームのうち、2014年の阪神以外は日本シリーズでも勝って日本一まで上り詰めた。

25回のCSで19回は1位チームが勝ち抜け

1位チーム トータル62勝44敗1分 勝率.585
 CS1 なし
 CS2 62勝44敗1分 勝率.585

 パの14回のポストシーズンで1位チームが勝ち抜けたのは11回。セの11回のCSで1位チームが勝ち抜けたのは8回。25回のCSで19回は1位チームが勝ち抜けている。確率で言えば76%。下剋上の可能性は24%となる。

 今季のCSも、1位チームの西武、広島が有利なのは間違いない。しかし勝負は水物。ジャイアントキリングが起こる可能性は常にある。13日からのクライマックスシリーズに注目しよう。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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