鷹工藤監督、ハム栗山監督が語る“超短期決戦”のカギとは…「流れ」「勢い」

会見に臨んだソフトバンク・工藤監督(左)、日本ハム・栗山監督【写真:藤浦一都】

ソフトバンクはミランダ、日本ハムは上沢が先発

「2018 パーソル クライマックスシリーズ パ」は13日からファーストステージが始まり、レギュラーシーズン2位のソフトバンクと3位の日本ハムが、ヤフオクドームで対戦する。12日には前日会見が行われ、ソフトバンクの工藤公康監督、柳田悠岐選手会長、日本ハムの栗山英樹監督、中島卓也選手会長が参加した。

 日本ハムが日本一になった2016年以来、2年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)で対決する両チーム。前回は最大6試合のファイナルステージが舞台だったが、今回は最大3試合の“超短期決戦”ファーストステージが舞台となる。工藤、栗山両監督は勝負のポイントはどこにあると考えているのだろうか。

工藤監督「3試合やるというところをしっかり考えた上での戦略、作戦も立てないといけないという風に思っている。超短期決戦は1つ勢いに乗せてしまうとなかな止めるのは難しい。止めるとなると、よっぽどの力がないと止められない。明日まずどう勝っていくのかはミーティングでもやってきていますし、選手たちも準備できていると捉えています」

栗山監督「どういうスタートを切れるのかは大事だと思いますけど、本当にこの超短期決戦を勝ち切れる何か要因が分かるのであれば教えてほしいくらい。毎回難しさしか感じない。1つだけやらなきゃいけないと思っているのは、大きく流れが変わる可能性がある。どういう展開になろうとも、負けが決まるまでは全員が勝つんだと、その思いの足し算だけはしっかり負けないようにやり続けることが求められると思う。そこだけはしっかりやっていきたいと思います」

 指揮官はやはり、シリーズの行方を大きく左右するであろう初戦の重要性を意識している。その中で展開を激変させる“流れ”や“勢い”の存在を指摘。いかに勝負のポイントでそれを掴むことができるか、が勝敗を分けるカギになりそうだ。

今季対戦成績はホークス12勝、日本ハム13勝も…

 大事になる初戦の先発投手は、ソフトバンクが助っ人左腕のミランダ、日本ハムは今季大黒柱に成長した上沢直之を指名。両監督は、それぞれの投手に大役を託した意図や思いについても語った。

工藤監督「もちろん安定感というところがありますし、彼自身の持ち球、相手の特徴考えたときに1番いいピッチングをしてくれて、チームを勝利に導いてくれるんじゃないか、と。高い確率があると思って決めました」

栗山監督「ここで上沢の名前が出てくるくらいなんでね……。自然な形の中で。開幕のところもいろいろ考えていて、信頼していってもらう。今年頑張ってくれたので、僕は感謝しているので、頑張ってくれると思います」

 今季の両チームの対戦成績はソフトバンク12勝、日本ハム13勝。ほぼ互角の対戦成績となっているが、4月はお互い3勝ずつ。5月から7月までは日本ハムが7連勝含む9勝1敗と圧倒しながら、8月と9月はソフトバンクが8勝1敗。現在7連勝中となっており、極端な戦いぶりとなっている。

工藤監督「足で得点を取ったり、長打で取ったりと隙のない野球をやられている印象はあります。そこをどう止めていくかが僕らの課題となると思います。そこをしっかりこの4日間の中で練習してきましたし、なんとか防いで勝てるようにしていきたい」

栗山監督「対戦成績的にはああいう形になりましたけど、最後はウチはやられっぱなしでシーズン終わっている。これだけ全く隙のない、どこに弱点があるんだろうというくらいバランスのいいチームであるのは間違いない。最後にそういう状況になったのは事実。それを我々は受け止めて、やっていったらいいのかなと。できる限りのことを考えて、できる限りのことをやらないと何も起こらないと思っている。何をすればいいのかっていうのは言えませんけど、やっていきたいと思います」

 それぞれ互いの印象を語り合った工藤監督と栗山監督。2016年のファイナルステージでは、大谷翔平投手のストッパー起用など、栗山監督が策をことごとく的中させて勝利している。今年のファーストステージは、いかなる展開となるか。西武への挑戦権をかけた熱い戦いが、いよいよ始まる。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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