横浜・寿地区の困窮者ら支援続け 県匡済会100周年

 寿地区で福祉事業を展開するなど横浜市を中心に生活困窮者への支援を続けてきた社会福祉法人神奈川県匡済(きょうさい)会(本部・同市泉区)が11日、創立100周年を迎えた。同日夜に開いた感謝の会で渡邊俊郎理事長は「福祉のコラボレーションで生活再建や自立を応援してきた。創立時の思いを忘れないで次の世紀に臨みたい」と抱負を述べた。

 同会は原富太郎ら横浜の財界人37人の出資で1918(大正7)年10月11日に創立。第1次世界大戦を原因とした物価高騰で生活が立ち行かなくなった人々を救うため、出資を基に住宅や公設市場を建設し、運営を担った。支援拠点「横浜社会館」を設け、食事提供や診療なども行った。

 第2次世界大戦後は寿地区で就労支援事業、高齢者への給食提供を開始。現在は特別養護老人ホームや保育所の運営を手掛けるなど、11施設と五つの社会福祉事業を展開している。

 感謝の会には横浜商工会議所の上野孝会頭ら約120人が出席。県社会福祉協議会の篠原正治会長はあいさつで「県の社協は社会館に間借りし発足した」などと匡済会への謝意を示した。

神奈川県匡済会の創立100周年感謝の会であいさつする渡邊俊郎理事長(中央)=11日夜、横浜市中区のホテルニューグランド

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