彫刻、壁画を特別公開 長念寺で14日まで

 川崎市多摩区登戸の長念寺の市指定文化財の特別公開が12日に始まり、多くの市民らが虹梁(こうりょう)に施された見事な彫刻や壁画、ふすま絵などに見入っていた。市教育委員会の主催で入場無料。14日まで。

 同寺は5月に平成の大改修を終えた。公開されているのは、いずれも市指定文化財の本堂や庫裏(くり)、木造阿弥陀如来立像、「絹本着色 秀月禅尼画像」。13、14日には県指定重要文化財で狩野永徳筆と伝わる「紙本金地著色 鳥合わせ図屏風(びょうぶ)」(六曲一双)も公開される。江戸時代後期に建立された本堂や庫裏は耐震上の問題から、2014年から3年余りをかけて改修した。本堂(床面積約360平方メートル)は入母屋(いりもや)造りで、金色仕上げの巻障子や彫刻欄間などがある。庫裏(同約240平方メートル)は寄棟(よせむね)造りの武家風玄関や書院を備える。改修では、建立当時の部材を生かしながら補強し、装飾も塗り直すなどした。小林泰善住職は「かつての姿によみがえった市民の文化財。この機会に多くの方にご覧いただきたい」と話している。

 午前10時~午後3時(14日は午後2時半まで)。小田急線向ケ丘遊園駅から徒歩15分。問い合わせは、市教委文化財課電話080(9776)8991。

特別公開されている川崎市指定文化財の長念寺本堂

© 株式会社神奈川新聞社