大島造船所と長崎大が協定 人材育成、技術研究で連携 「世界に認められる海洋立県に」

 大島造船所(長崎県西海市)と長崎大は12日、船舶海洋分野の人材育成、技術研究の推進を柱とする包括的連携協定を結んだ。長崎大の研究力や人材育成力と、大島造船所が培ってきた技術力を生かし、造船業の活性化や雇用創出につなげる。

 大島造船所は昨年、九州大に寄付講座を開いたが、連携協定は長崎大が初めて。優秀な人材を確保し、地元に定住させることで地域貢献につなげる。

 今後、意見交換やインターンシップなどで、技術や人材の交流を図る。長崎大は機械や電気工学、情報通信技術(ICT)などの研究成果を大島造船所に提供、工場省人化などの共同研究も視野に入れている。

 初の取り組みとして、来年4月、大学院工学研究科内に寄付講座「船舶海洋人材育成講座」を開講。三菱造船の橋本州史顧問が教授として着任する。大島造船所は長崎大に年間2千万円を寄付する。

 西海市内で調印式があり、南尚会長と河野茂学長が協定書に署名。南会長は「古い技術を錬磨し、(人工知能など)最先端技術で洗練させ、世界に認められる造船所にしたい。(協定は)50年先を見据えたストーリー。一生懸命やりたい」。河野学長は「世界に認められる海洋立県となるよう、連携、強化を充実させる」と話した。

協定書に調印した南会長(左)と長崎大の河野学長=長崎県西海市、オリーブベイホテル

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