大井町の地酒「夢高尾」の原料となる酒米「吟のさと」の稲刈り体験会が13日、同町高尾の棚田で行われた。全国農協観光協会(東京都千代田区)による農業体験ツアーの一環で、都内や横浜から8人が参加した。
体験会では、地元の農家10人でつくる「高尾棚田保存会」のメンバーが、「水稲より穂が長い」といった酒米の特徴や稲刈りのこつなどを説明。参加者は稲の根元を鎌で刈り取り、手際よく収穫していた。
「別の農業体験で稲刈りをしたら面白かったので参加した」と東京都江戸川区に住むパートの女性(65)。横浜市在住の女性会社員(35)は「農作業は体を使うのが楽しい。お酒ができたら飲んでみたい」と話した。
「今年は生育が少し遅いが、出来は普通」と、同保存会代表の藤澤憲吾さん(70)。半日の体験会で、参加者は酒米約70キロ分の稲を収穫した。藤澤さんは「稲は植えたら実るわけではない。草を取ったり、水を調整したりと管理が必要。農家の苦労も知ってもらえたら」と期待していた。
高尾棚田で収穫された酒米は井上酒造(同町上大井)で醸造され、新酒は来年2月に発売予定という。