東彼杵で開発「ながさき抹茶」売り込もう 「架け橋プロジェクト」始動

 長崎県内最大の茶どころ、東彼東彼杵町で新たに開発された「ながさき抹茶」を県内外でPRし消費拡大につなげようと、生産者やメーカー、行政機関などでつくるネットワーク「K(架け橋)プロジェクト」が発足した。抹茶を皮切りに、さまざまな県産食材の掘り起こしと魅力発信を目指し、「『長崎クオリティー』を世界へ」と意気込む。
 国と県が、地域戦略プロジェクトの一環で2015年から、同町の茶生産・販売業「茶友(ちゃゆう)」(松尾政敏社長)に最新鋭の製茶機械を導入し、低コストで高品質な抹茶の製造技術を研究してきた。16年夏に抹茶の原料となる碾茶(てんちゃ)の製品化に成功。緑茶より付加価値が高く、海外輸出への期待も大きい。すでに複数の企業や店舗が菓子の原料に使用するなど県内で広がりつつある。
 プロジェクトは、茶友と大村市の食品卸業「サンダイ」(吉野由喜男社長)が中心となり、生産者、食品メーカー、商社、行政・研究機関など約20団体が参加する。新商品の企画、開発や販路開拓に連携して取り組む考えだ。プロジェクトリーダーを担うサンダイの吉野豊氏は「それぞれの強みを生かした柔軟な動きで長崎の食を発信していきたい」と意欲を語る。
 第1弾としてサンダイは粉末に水や湯を注ぎ、気軽に抹茶ラテを味わえる「いつでもどこでも抹茶カフェ」シリーズを提案。年末に「抹茶ラテ」「ほうじ茶ラテ」の販売を目指す。その後も、ユウコウやビワなど県内の特産品を使ったフレーバーを加えることで、県産食材の魅力を売り出していく構想だ。

「Kプロジェクト」の一環でサンダイが発売予定の粉末ラテ「いつでもどこでも抹茶カフェ」

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