ゲーム依存の若者どう支援 横浜で講演会

 インターネットやアルコール、ギャンブルなどの依存に苦しむ若者への支援をテーマにした講演会「『やめられない若者』の支援と自殺対策」が、横浜市開港記念会館(同市中区)で開かれた。横浜市立大病院児童精神科助教の青山久美さんがネットやゲーム依存を中心に、そこに至る背景や抜け出るため身近な人ができることなどを語った。

 青山さんは「薬物など特殊なものだけが依存症になるわけではない」と説明。「アルコール、カフェインなど依存性物質は身近にある。誰でもなり得ることを知ってほしい」と訴えた。

 若者の場合は、乱用が習慣化することで「『物質を使って気分を変えたり、孤独に耐えたりすればいいや』と考えるようになり、成長を妨げる元になってしまう」と指摘。依存性物質が自殺につながる危険性にも触れ、「酒やたばこ、スマートフォンでできるゲームなど入手しやすいものは若いうちから、はまってしまう」と解説した。

 ネット依存やゲーム障害の予防策としては「スマホなどとの付き合い方を使用前に考えることや、時間制限の必要性」などを挙げた。問題が起きた際には早めに介入することに加え、身近にいる人は「本人に問題意識を持ってもらい、変わろうと思う動機付けをすることが大事」と強調。やめても繰り返し使ってしまうことがあるが、「回復の過程で必ず通る道。一度でやめられることはまれ。失敗を責めず、おおらかに受け入れる」とした。

 現代の若者は、スマホやネットがなければ学生生活を送ることも難しい。青山さんは「頭から否定せず、よりよい方法を一緒に考えることが大事」とし、「人間の脳は、何をしてもやめていけばどんどん回復する。援助する側もそれを信じ、相手に伝えれば時間はかかっても必ず進む。まずは信じるところから」と締めくくった。

 講演会は同大と市こころの健康相談センターの共催で、2日に開かれた。

若者の依存とその支援について語られた講演会=横浜市中区

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