新「五島産業汽船」社長が会見 一日も早い再開目指す

 経営破綻した五島産業汽船(新上五島町)から長崎-鯛ノ浦(同町)航路を引き継ぐ計画の新生「五島産業汽船」の社長に就任した元関連会社従業員の藤原圭介氏が15日、弁護士を伴い県庁で記者会見した。「多くの利用者や関係機関に迷惑を掛けた。従業員も、もがき続けてきた」と胸の内を語った。藤原氏と石橋龍太郎弁護士の一問一答は次の通り。

 -新会社設立に至った経緯は。
 石橋氏 自力再建を模索していた中、県内の有志から「一日も早く航路再開するため自分たちがお金を出すから従業員でやってみないか」と持ち掛けられた。

 -再出発に際し利用者への思いは。
 藤原氏 県民の皆さまにご迷惑をお掛けした。一日も早い運航再開を目指す。(新上五島町などに構成資産がある)世界遺産に対する交通の利便性を高めたい。

 -長崎-鯛ノ浦航路だけを引き継ぐ理由は。
 石橋氏 佐世保-有川航路は旧会社で大幅な赤字を出し、経営破綻の原因となった。

 -新会社の社長を引き受けた経緯は。
 石橋氏 これだけの重圧の中で引き受けるのは大変なこと。候補に挙がり「できない」と言う人もいる中で藤原さんが「私がやろう」と手を挙げた。

 -鯛ノ浦-長崎航路が再開すれば島民の生活は元に戻るか。
 藤原氏 以前就航していた高速船よりも乗船定員が少ないので全体的に戻るとは言えないが、皆さんの不便を少しでも軽減したい。

記者会見する藤原社長(左)と石橋弁護士=県庁

© 株式会社長崎新聞社