厚木市七沢の老舗、黄金井酒造で今月から新酒の仕込みが始まった。タンク内のもろみを棒で丹念にかき混ぜる「櫂入(かいい)れ」と呼ばれる作業もその一つだ。醸造長の飯塚栄治さん(45)は「毎年いいお酒になるように願い、気を遣いながら作業に当たっている」と力を込める。
同社では、例年通りの10月1日に新酒の仕込みを開始。米を蒸したり、こうじをつくったりといった作業が連日続いている。櫂入れは「温度や発酵を均一にし、よりまろやかな仕上がりにするために朝夕に欠かせない」(同社)という。
夜間も温度管理などで必ず1人は泊まり込み、11月初旬の出荷に向けて酒造りを進めている。同社8代目の黄金井康巳社長(65)は「今年は創業200年を迎えた節目の年。米の出来もいいのでキレのいいお酒を目指していきたい」と話した。