アイビッグの軽量化ワイヤーロープ、来年度販売倍増の1億円目指す 試験機新設、強度保証体制も強化

 中部地区荷役用吊り具メーカーのアイビッグ(本社・愛知県清須市、社長・山田誠二氏)は標準的な製品(6×24、径24ミリ、麻芯)と同等の強度を有しながら、30%軽量化を図った国内初のワイヤーロープ「ダブルロープスリング」の販売が伸長している。今後も荷役作業の負担軽減をできることを積極的にアピールし、来年度には今年度比2倍の年1億円にまで販売実績を伸ばす。また、1千キロニュートン級に対応した引張試験機を新設。品質保証体制や納期対応力をさらに強化し、自社取扱製品の競争力を高める。

 同社は土木建設、重工業、港湾荷役向けの吊り具および荷役危機の製作や、ワイヤーロープの加工、販売を手掛ける。ワイヤーロープはユーザーの要望に合わせ、国内外の鉄線メーカーの母材を採用し、全国に向け加工販売を行う。取扱量は中部地区随一。

 同社が販売する「ダブルロープスリング」は、母材にハイテン線材を採用し、耐荷重2160キロニュートンの高強度を実現。普通鉄線を採用した標準的なワイヤーロープと比較して、重量を大幅に削減した。約6年前の販売開始以降、現場作業員の負担軽減や、作業効率化を優先したいユーザーに着実に実績が拡大。柔軟性にも優れるため、鋼材搬送用時や港湾荷役作業において、間隔が狭い箇所にロープを通しやすい。経年しても変形しにくく、ロープの長寿命化などの特長が販売増に寄与している。端部はロック加工、編み込み加工が可能。販売標準サイズは径12~40ミリ。41ミリ以上の径は受注生産で対応する。

 これまで引張試験を外部に委託し、取扱製品の強度証明書を発行していたが、このほど引張試験機(HENSGRAND製)を新たに導入し、1千キロニュートン級の強度試験を内製化した。ワイヤーロープのみならず、吊り具1品ごとに強度保証書の発行が可能となり、リードタイム短縮など、顧客サービスの向上で需要の深掘りを推進。販売増につなげる。

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