IMSA:レクサス、今季2勝の3GTレーシングと離別。新パートナーとともに2019年もGTD参戦へ

 IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップのGTデイトナ(GTD)クラスに参戦するレクサス・レーシングは10月16日、エイム・オートスポートとバッサー・サリバン・レーシングの合併チームである“エイム・バッサー・サリバン(AVS)”と新たにパートナーシップを結び、2019年のGTDクラスに、2台のレクサスRC F GT3を走らせると発表した。

 15日に、2017年から2年間パートナシップを結んだ3GTレーシングとの提携を終了したと明らかにしたレクサスは明くる日、2019年シーズンをAVSとともに戦うとアナウンス。来季のGTDクラスでも、引き続き2台体制を敷くという。

 レクサスとともに2台の『レクサスRC F GT3』を走らせることになるのは、ジェームズ・“サリ”サリバンと元CARTチャンピオンのジミー・バッサーが結成したバッサー・サリバン・レーシングと、2012年グランダムシリーズのGTDクラスチャンピオンをはじめ、1990年代からフォーミュラカー、スポーツカーシリーズで活躍してきたエイム・オートスポートがタッグを組んだ新たなスポーツカーチームだ。

 かつてKVレーシングの共同オーナーを務めていたバッサーは2011~2016年までサリバンと提携。2013年にはインディ500を制した。その後、両者は2017年にバッサー・サリバン・レーシングを設立すると、2018年はデイル・コイン・レーシングの運営に携わり、同チームのセバスチャン・ブルデーを支援している。

 そんなバッサー・サリバン・レーシングにとってスポーツカーシリーズへの進出は今回が初めてとなるが、2018年もPWCピレリ・ワールド・シリーズに参戦するなど、30年近くその道を極めているエイム・オートスポートとタッグを組むことから、初年度からの活躍も期待される。なお、レクサスとAVSは今回、2台のドライバーラインアップについては言及していない。

「サリと私はレースの新しいキャリアの扉を開くことを楽しみにしている」と語るのはAVSのバッサー氏だ。

「私のキャリアのなかでスポーツカーをドライブしたのは、クラス優勝を飾った1992年と総合2位となった2008年のデイトナ24時間くらいのもので、とても限定的だった」

「エイム・バッサー・サリバンチームはレクサスと我々のスポンサーの支援を受けるほか、シリーズで活躍するためのツールを持ち合わせている。だから、この新しい挑戦が楽しみで仕方ないんだ」

■レクサス代表「現時点でAVS以外のカスタマーチームを確認していない」

2018年シーズンに北米初優勝を含む2勝を挙げた14号車レクサスRC F GT3

 一方、2018年もPWCで存在感を示したカナディアンチームであるエイム・オートスポートは、今季途中からレース参戦を中断し新たなプログラムの準備を開始していたという。

 チームの共同オーナーのひとり、アンドリュー・ボーディン氏は「ジミー(・バッサー)とサリ(ジェームズ・サリバン)とパートナーシップを組んで、2019年にウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップで2台のレクサスRC F GT3を走らせる機会を得たことは『素晴らしい』の一言に尽きる」とコメント。

「GTDのような、とても競争が激しいクラスでレースに勝ち、シリーズタイトルを勝ち取るためには、レースのあらゆる面で優れていなければならないだろう」

 また、レクサス・モータースポーツのマーク・エッガー代表は今回の提携発表について次にように述べている。

「レクサスはGT3プログラムをさらに進めたいと考えており、AVSとのパートナーシップは継続的な進歩、さらなる勝利、そしてチャンピオンシップの獲得につながるだろう」

「ジミーとは以前、インディカー時代にトヨタ・レーシングのプログラムで関係を構築し、当時は助けてもらった。また、ジミーはトヨタのディーラーを所有しているんだ」

 このように語ったエッガー氏は、2019年にRC F GT3でレースを行うチームをAVS以外に確認していないという。

「2019年はエイム・バッサー・サリバンの2台のみがGTDを走ることになる。しかし、然るべき時がくれば追加のチームパートナーを検討する。現時点では2020年にその範囲の見直しを行う予定だ」

「最終的には適切な状況下でパートナーを追加し、我々が現在行なっているグローバル規模のプログラムでさらに推進したと考えている」

3GTレーシングが2シーズンに渡って走らせた15号車レクサスRC F GT3

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