スター選手が並ぶ月間MVP受賞回数10傑
今年最後の月間MVPが発表された。9、10月はセ・リーグの打者がソト(DeNA)、投手が菅野智之(巨人)。パ・リーグの打者が山川穂高(西武)、投手が多和田真三郎(西武)だった。
4人の選手はすべて今シーズンのタイトルホルダーだった。
月間MVPは、MLBの「プレイヤー・オブ・ザ・マンス」を手本として、1975年にセ・リーグで始められた。1979年にはパ・リーグでも始まった。当初は投打合わせて1人だったが、1989年から、投手、打者部門で各1人、両リーグで4人が選出されるようになった。
この賞は記者投票ではなく、成績とチームへの貢献度を基準として連盟が選出している。基本的に4月、5月、6月、7月、8月、9月と年間に6組選出。3月の試合は4月に、10月の試合は9月に含まれる(2011年だけは東日本大震災の影響で開幕が遅れたため10月の月間MVPが単独で選出された)。
これまで延べ871人が月間MVPに選出されている。
受賞回数10傑
12回 田中将大(楽天)
10回 イチロー(オリックス)
9回 A.ラミレス(ヤクルト5、巨人3、DeNA1)
8回 山本昌(中日)
川上憲伸(中日)
小笠原道大(日ハム5、巨人3)
杉内俊哉(ソフトバンク7、巨人1)
7回 松井秀喜(巨人)
金子千尋(オリックス)
6回 落合博満(ロッテ2、中日4)
佐々岡真司(広島)
松中信彦(ダイエー→ソフトバンク)
阿部慎之助(巨人)
松井稼頭央(西武4、楽天2)
山田哲人(ヤクルト)
菅野智之(巨人)
田中将大は5か月連続月間MVP受賞の離れ業
田中将大は2013年、24勝0敗という大活躍をしたが、5月から9月まで5か月連続で月間MVPに選ばれ、イチローの10回を一気に抜いた。
現DeNA監督のアレックス・ラミレスはヤクルト、巨人、DeNAで月間MVP。3球団で月間MVPを獲得したのはラミレスだけだ。
巨人の菅野はこれが6回目の受賞。巨人での受賞回数は松井秀喜の7回が最多で、阿部慎之助とともに2位タイとなった。
西武の山川は4回目の受賞だが2017年8月、9月、2018年4月、9、10月と2年で4回のハイペース。この調子なら近いうちに獲得数上位にランキングされそうだ。
月間MVPは、1試合や短期間の活躍ではなく、1か月、20数試合での成績が評価される。それだけに時代を代表する実力者の名前が上位に並ぶ。
そういう意味で、この賞の獲得者は、NPBの真の実力者だといえるだろう。来年はどんな顔ぶれが受賞するだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)