昨季チャンピオンズリーグ3連覇という前人未到の偉業を達成したレアル・マドリー。しかしその後、ジネディーヌ・ジダン前監督が電撃的に退任することを発表した。
急遽フレン・ロペテギ監督を新指揮官に迎えたが、彼はそれによってワールドカップ出場を直後に控えたスペイン代表から解任されてしまう。
しかもエースであったクリスティアーノ・ロナウドがユヴェントスへ移籍することになり、トラブルだらけの夏を過ごした。
スタートこそ良かったものの、このところは調子を崩してしまい苦戦を続けている。『Sportskeeda』が伝えるレアル・マドリー低迷の5つの理由とは?
5:クリスティアーノ・ロナウドの退団
部屋から電球を取り除けば、そりゃ暗くなるというものだ。陳腐な項目だが。
太陽が昇った時には部屋に光が降り注ぐだろうが、暗闇が世界を覆うころには、部屋も真っ暗になる。
レアル・マドリーがクリスティアーノ・ロナウドを売って部屋から灯りを取り除くことに決めた。それはクラブの得点記録を更新し、歴史上最もゴールをあげてきた男だ。
そのような男がいなくなって、クラブに悪い時が訪れたときに照らしてくれる何かがあるのか?責任を果たす誰かがいなければ、誰かがその首を捧げなければならなくなるものだが。
今やロナウドの不在により、レアル・マドリーは4試合もゴールから見放されているのだ。
4:噛み合わない補強
フレン・ロペテギ監督はシーズンをうまくスタートさせた。しかし太陽が沈む時が訪れると、その暗闇を跳ね除ける手段がなかった。
フロレンティーノ・ペレス会長は、チーム内で突出していたクリスティアーノ・ロナウドに取って代われるだけのゴールスコアラーを獲得しなかった。例えばレヴァンドフスキ、ハリー・ケインらだ。
非常に静かな移籍マーケットを過ごした。唯一注目できる攻撃者といえば、18歳になったばかりのヴィニシウス・ジュニオールと、買い戻しのマリアーノ・ディアスだけだ。
彼らがポルトガルのスーパースターを置き換えられる資格を持っているとは思えない。少なくとも現時点では。レアル・マドリーは「時間がかかる選択肢」を取ったのだから、今苦しくなるのは当然だ。
3:イスコに依存しすぎている
フレン・ロペテギがレアル・マドリーの監督になると発表された瞬間、おそらくイスコが中心的な役割を果たすことは公然の秘密になった。スペイン代表でもそうだったからだ。
そして実際にそうなった。最高のレベルにある時には、イスコは本当に素晴らしい。プレーを見られることが単純に喜びである。中盤をコントロールし、前線をリンクさせ、さらにアタッキングサードで決定的な役割をこなす。
これは良いことであるが、一方でイスコがいない時には大きな打撃になってしまうともいえる。すべての部分で少しずつ破綻をきたす。
彼が虫垂炎で倒れてしまったことによって、レアル・マドリーは根幹を失っている。それ以来はゴールなし、勝利なし、5失点だ。
2:怪我人が多い
基本的には補強の話と関連している項目だが。イスコが先日虫垂炎でダウンし、1ヶ月間離脱することになった。ただ、苦しんでいるのは彼だけではない。
ダニ・カルバハルとマルセロが離脱し、両サイドバックを一挙に失った。アルバロ・オドリオソラとセルヒオ・レギロンがCSKAモスクワ戦でプレーせざるを得なくなった。
そしてギャレス・ベイルも怪我をしており、直近では万全な状況にない。ベンゼマもまたハムストリングの怪我に苦しんでいる。
ロナウドの退団とイスコの病気、さらに多くの怪我人が出ていることで、さらにレアル・マドリーは傷つけられている。
1:新しい監督
人類の歴史上、組織の権力の移行がスムーズに行われたことはほとんどない。民主主義がこれだけ発達したとしても、しばしばその途中にノッキングを起こすものだ。
新しい監督が前任者の成功を受け継いだとき、最初は物事が変化するのが当然だ。ロペテギのシステムは、ジダンのものとはかなり違っている。
ジダンは一番いい状態の選手をピッチに送り出したが、ロペテギは集団的に最善になるようなシステムを実装しようとしている。
これは戦術的に大きな変化であり、おそらくロペテギが考えているものを実行できるようになるには1年以上かかるだろう。
イモムシですら蝶に変わるまでに3週間ほどかかる。サッカーチーム全体を変えるのは一朝一夕にはいかない。