歴史的建築物を堪能 横浜・県立図書館 撮影可能ツアーを初開催

 戦後モダニズム建築の旗手・前川國男(1905~86年)が設計した県立図書館(横浜市西区)を巡るツアーが開かれた。書庫内の見学や館内の撮影など普段はできない貴重な体験を参加者らが楽しんだ。

 前川は近代建築の巨匠、ル・コルビュジエに師事し、戦後の日本建築界をリード。東京文化会館(台東区)など数多くの公共建築を設計し、54年に開館した県立図書館と、隣接する県立音楽堂、県立青少年センターも手掛けた。

 これまでのツアーでは撮影を認めていなかったが、「歴史的建築物を写真に残したい」との声が多く、今回初めて撮影可能なツアーを企画。県内外から抽選で選ばれた33人が参加した。

 季節によって光の取り込み方が異なる升目模様のれんが壁や大きな窓ガラスを配した特徴的な設計方法を職員が説明。参加者は透明感あふれる空間を味わいながら、思い思いの場所をカメラに収めた。

 横浜市在住の30代女性は「普段利用しているだけでは気付かないような細部を見ることができて、面白かった」と満足げ。同館の山下樹子さんは、「今回のツアーをきっかけに多くの人に図書館に興味を持ってもらいたい」と話していた。

大きな吹き抜けになった県立図書館本館内を撮影する参加者=横浜市西区

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