ベッテル、赤旗時のスピード違反で3グリッド降格。「常識に欠けるペナルティ」と不満示す

 フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、F1アメリカGP金曜フリープラクティス1で、赤旗の際に十分な減速を行わなかったとして、ペナルティを科されることが決定した。

 ウエットコンディションのFP1で、ザウバーのシャルル・ルクレールがスピンし、コースオフ。復帰する際にコースに砂利をばらまかれたことで、コース清掃のため赤旗が掲示され、セッションが中断された。

 ベッテルはこの際にスピード違反を犯したと判断された。スチュワードはベッテルおよびフェラーリの代表者から事情を聞き、ビデオやテレメトリーなどの検証を行った後、セクター6から7でFIAのECUで示されたタイムを下回るペースを維持していなかったとの結論を出した。

 2018年シーズンの規則ではドライバーは赤旗時、大幅にスピードを落とさなければならず、この規則への違反は重く受け止められる。スチュワードは、「ベッテルはレッドフラッグ掲示時に十分減速しなかった」と判断、3グリッド降格およびペナルティポイント2の罰を科すことを決定した。

 前戦日本GPではエステバン・オコンが、それより前の開幕戦オーストラリアではダニエル・リカルドが、同様の違反で3グリッド降格のペナルティを受けている。

 このペナルティにベッテルは不満を示している。
「赤旗を見たから減速した。周囲を見て、どこかにマシンが止まっているのか、ウォールにぶつかっているのか、ターン9から10で何か起きているのかを確認し、規則に従うために大幅にスピードを落とした」とベッテルはSky Sportsにコメントしている。

「分かっていたから、減速した。でも、規則にも常識が必要だ。(ペナルティは)間違っていると思う。僕は減速したし、何が起きているのか、ちゃんと確認した。規則は明確だし、僕らもそれを承知している。でも、ウエットでこういうことが起きたのはこれが初めてだ。ウエットだとターゲットタイムが大幅に遅いから、30km/h、40km/h、50km/hも落とさなければならない。次はそうする必要があるんだろうね」

「でも、自分の後ろを他のマシンが走っていたら、そうすることが正しいとは思えない。追突されてしまうだろう。それでもペナルティを受けないことの方が重要なのだろうね」

 現在ランキング2位のベッテルは、ポイントリーダーであるルイス・ハミルトンに67点の差をつけられている。今週末のアメリカGPでハミルトンが優勝した場合、ベッテルが2位に入らない限り、ハミルトンが自身5度目のタイトルを確定する。

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