【侍U-23代表】連勝対決制した日本 DeNA阪口&ロッテ成田ら力投、稲葉監督「よく粘った」

5回途中から登板し好投した成田翔【写真:Getty Images】

救援陣も好投でメキシコに勝利、5回2死満塁で降板の阪口は「先発の仕事ができなかった」

 野球の23歳以下の世界一を決める「第2回WBSC U-23ワールドカップ」は開催3日目の21日(日本時間22日)、オープニングラウンド第3戦が行われ、A組の日本は、2連勝同士の対決となったメキシコに7-2で勝利。3連勝を飾り、スーパーラウンド進出に大きく近づいた。

 先発を任された阪口皓亮(DeNA)が前日20日のオランダ戦で4本塁打、14得点と大爆発したメキシコ打線相手に4回2/3を投げ、4安打1失点と大量失点を許さず。リリーフ陣も4人が好継投をみせ、メキシコに反撃の隙を与えなかった。

 建山義紀投手コーチが「一番力のある直球を投げる。一番ストレートに強いメキシコに対して、ファウルや空振りを取れる投手を送り出したかった」と期待を込めて送り出した阪口は、4回に1発を浴びたが、降板した5回途中まで毎回の8奪三振。5回2死満塁の場面で降板し、勝利投手の権利は得られなかったため「先発としての仕事ができなかったので申し訳ないと思う。まだ投げる可能性あるので、任された時は今日の悔しさを踏まえてしっかり投げられるように頑張ります」と、反省の言葉が口をついたが、メキシコ打線に大量点を与えなかったことが勝利に結びついた。

 阪口の後を受け、ピンチを救ったのは成田翔(ロッテ)だった。5回2死満塁のピンチで回ってきた出番。相手は前の打席で左越えソロを放っている2番エラス(プエブラ)だった。今季メキシカンリーグで21試合に出場し、54打数22安打、打率4割7厘と結果を残している相手だったが、低めの変化球で空振り三振に仕留め、メキシコに流れを渡さなかった。

中継ぎ陣はロングリリーフ役を担う水野以外の5人が登板

「ピンチでの登板はファームでも経験していたので、気持ちを入れてマウンドに向かった。ただ、次の回に四球から点を取られたのは良くなかった。切り替えていきたい」。成田は6回に1安打2四球で1点を許したこともあり、納得の内容とはいかなかったが、5回のピンチ脱出はこの試合の大きな鍵となった。

 日本は終盤、鈴木優投手(オリックス)、塹江敦哉投手(広島)、櫻井周斗投手(DeNA)がそれぞれ1イニングを投げ、メキシコ打線に3点目を与えず。最後までリードを守り切った。

 稲葉篤紀監督は「(5回は)走者が溜まっていて一発の怖さがあった。(先発の阪口は)あそこで目一杯だと感じて、思い切って代えた。成田はもともとバックアップとして(先発が)早く崩れた場合はいくと言ってあるので、しっかり準備はできていたと思う」と、投手交代のタイミングについて説明。成田、鈴木はこの日が初登板で「投手陣がよく粘ってくれた。初登板は緊張感のある中で投げるが、1点差ではなく5点という点差の中で投げられたのは次の登板に向けてよかった」と振り返った。

 これで中継ぎ陣は、ロングリリーフ役を担う水野匡貴投手(ヤマハ)を除く5人が登板。日本よりも高くて硬い異国のマウンドを踏めたことは、今後の登板に向けてもプラスとなる継投だった。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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