10月19~21日に栃木県のツインリンクもてぎで開催されたMotoGP第16戦日本GP。期間中はレースのみならず様々なイベントが行われ、ライダーたちもいろいろな顔を見せてくれた。そんな日本GPで見つけたトピックスをいくつかお届けする。
■超印象に残るレーシングマシン、エルフ-e・ホンダが展示
MotoGP開催期間中、ホームストレートのビクトリースタンド後方エリアにはホスピタリティガーデンが登場。昨年はこの場所でツインリンクもてぎ20周年を記念した特別企画展示が行われた。2018年は、ホンダコレクションホール開館20周年を記念した展示が開催。ブース内では普段見る機会がない貴重な車両が多く展示されていた。
そのなかでひときわ目立っていたのが、エルフ-e・ホンダだ。このマシンは1983年の鈴鹿8時間耐久ロードレースに登場し、大きな注目を集めた。
マシン全体の形状は独創的で、片持ち式の前後サスペンション、フレームレス構造などなど斬新なものがふんだんに盛り込まれていた。エンジンはホンダの空冷4気筒DOHC4バルブ1000ccのRS1000を使用している。当時このマシンを駆ったのはクリスチャン・ルリアールとデビッド・アルダナ。予選では9番手となったが、決勝は残念ながらトラブルで32周で姿を消した。
■日本GPワイルドカード参戦の中須賀は現行型ヤマハYZR-M1を使用
全日本ロードレース選手権JSB1000に参戦する中須賀克行。2018年も、2017年のワイルドカード参戦同様、YZR-M1の開発評価を目的にMotoGP日本GPに参戦。決勝は14位で終え、入賞を果たした。
中須賀のYZR-M1はヤマハのファクトリーチームに所属するバレンティーノ・ロッシやマーベリック・ビニャーレスと同様の仕様と思われるものだった。初日のフリー走行中に国際中継のインタビューで中須賀は、使用しているマシンが来季型ではないことを明かしている。
■母国GPでサインや写真撮影に応じる中上貴晶
MotoGPライダーとして初の日本GPを戦った中上貴晶。中上のピットやオフィスの前にはウイーク中、多くのファンが詰めかけており、ファンの前に姿を現した中上はサインや写真撮影に快く応じていた。
■ホンダブースにCBR250RRの新色が先行公開
中央エントランスには様々なブースが登場。バイクメーカーのブースでは最新モデルのバイクが展示されていた。
そのなかで目立っていたのが、250ccのスポーツバイク、ホンダCBR250RRだ。ブースで展示されていたCBR250RRは、全日本ロードレース選手権JSB1000に参戦するチームHRCのカラーリングが施されていた。このCBR250RRは市販予定車とのことだ。
■日本GP特別カラーのヘルメットで参戦したMotoGPライダーたち
日本GPはホンダ、ヤマハ、スズキの母国グランプリということもあり、日本メーカーのファクトリーチームに所属する何人かのライダーはヘルメットを日本GP特別カラーにしてウイークを戦っていた。
レプソル・ホンダのマルク・マルケスは、“祭り”をイメージしたカラーのヘルメットを使用。スズキのアレックス・リンスは、サイドに日本国旗、上部に藤原らんか氏のイラストが描かれたデザインのヘルメットとなっていた。
■力士とともに写真を撮るMotoGPライダーたち
プレイベントで中上貴晶、フランコ・モルビデリ、ホルヘ・マルティンが訪れた相撲部屋、荒汐部屋所属の力士である蒼国来栄吉氏が予選日に登場。予選会見の場にも登場した蒼国来氏はMotoGPライダーと写真撮影に応じていた。
■クオリティが高いロッシに似せた被り物を身に着けるファン
2日目には、ホンダ、ヤマハ、スズキ、ドゥカティのファクトリーライダーが登場。会場ではライトスティックが配布され、集まったファンはライダーが登場するとイメージカラーの明かりをつけて会場を彩っていた。
2018年シーズン限りで引退するダニ・ペドロサのステージでは、日本GPのウイーク中にペドロサファンが書いたメッセージフラッグが渡された。メッセージフラッグを受け取ったペドロサは「こんなに素晴らしい旗は見たことがない。自宅に持ち帰ってトロフィーがある部屋に飾りたいと思う」と喜びを語った。
■航空自衛隊所属のファントムがツインリンクもてぎに登場
決勝日のオープニングセレモニーでは、ファントムの愛称で呼ばれている航空自衛隊百里基地第7航空団所属の『F-4EJ(改)』の歓迎フライト展示が行われた。『F-4EJ(改)』は、米空軍のF-4Eを改造した戦闘機で、日本での運用に不必要な装備を取り除き、データ・リンクを載せて要撃戦闘機タイプにしたものだ。
MotoGPクラスの決勝スタート前には2機の『F-4EJ(改)』が登場。ツインリンクもてぎの空を飛行し、迫力のジェットエンジンサウンドを響かせた。
■2019年スタートのMotoE車両が日本初上陸
Moto2クラスの決勝レース後、2019年からスタートする予定の電動バイクによる新たなチャンピオンシップ『FIM Enel MotoE World Cup(MotoEワールドカップ)』のワンメイク車両がデモランを行った。
登場したMotoE車両は、イタリアの電動バイクメーカー、Energica Motor Company(エネルジカ・モーターカンパニー)の『Energica Ego Corsa(エネルジカ・エゴ・コルセ)』。デモランは1993年の250ccクラス王者の原田哲也が務めた。原田はMotoEマシンでコースインすると、かん高いモーター音を響かせながらサーキットを1周した。
■日本GPでタイトル獲得のマルケス。ゲーム機を使ったパフォーマンスで喜ぶ
■MotoGP決勝後の表彰式にファンが集結
MotoGPクラスの表彰式ではファンがホームストレート上で表彰式を観覧できるセレブレーションアリーナが開催。ホームストレートで表彰式を見れるのは日本GPでは初の開催だ。レース後、ホームストレートには多くのファンが詰めかけ、表彰式を盛上げていた。
なお、レース主催者が発表した2018年の日本GPに来場した観客数は約9万6,000人。昨年よりも7%増加となった。