小田原オリーブ 知名度アップ 収穫体験盛況、11月に販売会

 新たな特産品に育てようと、神奈川県小田原市が耕作放棄地などで推進しているオリーブ栽培が5年目を迎えた。知名度は徐々にアップ、10月初旬に初開催した収穫体験ツアーには市外から多くの申し込みがあり、抽選を行うほど盛況だった。来月にはオイルや新漬け(塩漬け)、せっけんといった加工品の販売会やワークショップを市内で開催予定で、さらなる浸透に向けて力を注いでいく。

 地元農家50人で組織する「小田原オリーブ研究会」(青木太成会長)が主体となり、2014年度から取り組んできた。事務局の市農政課によると、耕作放棄地対策も兼ねた試みで、市内の早川、片浦、久野、橘地区の山間部で栽培。現在は、50戸の農家が計約4ヘクタールの農地で計約2千本を育てている。

 昨年は約100キロの実を収穫し、加工品の製造も手掛けたが、活動の広がりに合わせて知名度も上がっている。さらに多くの収穫量が見込まれる今年は、6日にPRを兼ねた収穫体験ツアーを市内の農地で開催。地元の前羽小学校・幼稚園の親子35人に加えて、たくさんの一般参加者でにぎわった。

 参加費3千円のツアーには、定員35人を大きく超える99人の応募があり抽選を実施。応募者の7割は市外在住者で特に横浜市民が目立ち、主催の市には「収穫体験が楽しかった」「勉強になった。もっと知りたい」との好評の声が寄せられたという。

 11月3日には小田原駅東口地下街「ハルネ小田原」で、小田原産オリーブを使ったオイル(料金未定)を初めて販売。新漬け(60グラム税込み400円)や茶(7パック・同500円)、せっけん(80グラム・同1200円)なども店頭に並べる。

 また事前予約制で、ガラス瓶の中に乾燥したオリーブを飾る「ハーバリウム」作り(1620円)や、盆栽作り(3500円)、リース作り(800円)=いずれも税込み=の各ワークショップを午前10時から午後3時まで、計4回予定している。

 市が目標としているのは市内20ヘクタールで約5千本。来年2月には、100年の歴史を誇るオリーブ先進地の香川県小豆島で催される「全国オリーブサミット」に参加し、小田原の取り組みを発表する予定。市はいろいろな仕掛けを通じ、盛り上げていく考えだ。

 申し込み・問い合わせは市農政課電話0465(33)1494。

オリーブ収穫を体験する参加者たち=6日、小田原市前川地区で(同市提供)

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