<レスリング>【2018年世界選手権・特集】出場選手の声…第3日

(2018年10月22日、ハンガリー・ブダペスト/取材=布施鋼治、樋口郁夫)


 ■女子55㎏級決勝進出・向田真優(至学館大=世界選手権で3大会連続決勝へ)「組み合わせ的にすごくきついブロックに入ったけれど、強い選手とやりに来ている(ので、問題ない)。決勝にしっかり進むことができてよかったです。

 (ソフィア・マットソンとの準々決勝は)最後は相手の攻撃をもらってしまった部分もありましたが、『自分が絶対金メダルを獲る』という強い思いを持って闘いました。去年だったら、あそこから点数を取られて(逆転されて)いたでしょう。この1年間、すごく悔しい思いをしてきました。去年の悔しさ(昨年の世界選手権決勝でタイムアップ寸前に逆転負け)は世界選手権の決勝で晴らすしかない」


 ■女子59kg級決勝進出・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ=オリンピックを含めて4年連続決勝へ)「(優勝を逃したアジア大会のあとだったので)初戦は本当に怖かった。相手の中国は世界選手権で優勝している選手。高崎(3月=ワールドカップ)にも来ていて強いことは分かっていた。緊張した中でも勝てたのはよかったと思う。2試合目、3試合目は会場の雰囲気にも慣れてきて、普通にできました。練習してきて初めてできたグラウンド技もあったので、うれしかった。アンクルホールドです。

 悔しい思いは、試合で勝っていかないと晴らせないと思う。(明日は)連覇は気にしない。今回は連覇ではなく、勝ちたいという気持ちが強い。3つ勝ったけど、まだ優勝でないので、自信までは…(ついていない)。最後に負けてしまっては、最初の3つの意味がない。最後まで気を抜かずにやりたい」


 ■男子フリースタイル70㎏級・乙黒圭祐(山梨学院大=初戦で今年のアジア選手権優勝のウズベキスタン選手に敗れる)「調整の段階ではけがもなく、ベストコンディションに持っていくことができた。試合前の緊張もなかった。うまくやられた感じ。足をキャッチできることは分かっていて、そのあとの処理をしっかりと指示されていたけど、受けたことのない返し(2回も受けたタックル返し)で、どう対処していいか分からなかった。

 最初に食らった一本背負いも、くるとわかっていたけど…。(新旧合わせて)世界王者が何人もいるブロックで自分の力がどれだけ出せるのかと思っていた。まだまだ甘かった」


 ■男子フリースタイル97㎏級・山口剛(ブシロード=2回戦で元キューバのイタリア選手に敗退)「今大会では(昨年世界選手権優勝の)カイル・スナイダーや、(同準優勝の)アブデュラシド・サデュラエフと闘いたかった。あと1回勝てばスナイダーと闘うことができた。その内容次第で東京オリンピックに向けての課題を発見できると思ったんですけど、元キューバ選手の瞬発系のレスリングに全然対応できなかった。

 僕はもつれる展開が得意だけど、組み手から逃げられてしまった。結局、距離があいたところから入られてしまい、自分のレスリングをさせてもらえなかった。カウンターが怖くて、アタックは一回だけだった。そこからもうひとつアクションをかけていけば、全く違う試合展開ができたのかなと思います」

 

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