サウジ記者の遺体、トルコ国外か  「成果示すため」切断の指、搬送情報も

By 太田清

ジャマル・カショギ記者=5月6日、トルコ・イスタンブール(ゲッティ=共同)

 サウジアラビア政府を批判してきたサウジ人記者ジャマル・カショギ氏が死亡した事件で、同氏の遺体がどこにあるのかが捜査の焦点になっている。遺体がばらばらに切断されたという情報が流れる中、中東地域を専門とするニュースサイト「ミドル・イースト・アイ」は23日までに、遺体は死亡の日に、プライベートジェット機でトルコ国外に移送された可能性が高いと伝えた。トルコ当局者の話として報じた。 

 遺体を運んだのはムハンマド・ビン・サルマン皇太子のボディーガードを務め、カショギ氏殺害に関与した疑いが持たれている情報機関員で、大きなバッグにばらばらとなった遺体を入れて運んだが、外交官の旅券を所持していた上、カショギ氏の失踪が明らかになる前だったため、トルコ当局のチョックを受けることなく同国を後にしたという。プライベートジェット機はカショギ氏が死亡した2日午後6時20分、イスタンブールの空港を離陸した。 

 ミドル・イースト・アイはさらに、別の記事で、カショギ氏の暗殺の成果を示すため、サウジの首都リヤドにカショギ氏の切断された指が届けられたと伝えたが、信ぴょう性は不明。 

 サウジのジュベイル外相は21日、遺体がどこにあるか知らないと述べた。一方、サウジ政府高官はロイター通信に対し隠蔽を図るため、遺体をじゅうたんで包んで車で運び出し、地元協力者に渡して遺棄させたと証言した。 (共同通信=太田清)

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