原発避難訴訟「公正な判決を」 原告団、横浜地裁に署名提出

 東京電力福島第1原発事故の影響で福島県から神奈川県に避難してきた住民が、国と東電に慰謝料など総額53億9千万円余りの損害賠償を求めた訴訟で、原告団は23日、事故の実態を踏まえた公正な判決を求める署名を横浜地裁に提出した。判決は来年2月20日に言い渡される予定。

 署名は7月の結審以降、原告団が街頭や集会などで集めた。この日までに1万1313人が応じ、原告団は判決までに5万人を目標に署名活動を続ける。

 弁護団の黒澤知弘事務局長は「皆さんの被害を抜本的に解決できる判決を求めるため、われわれの気持ちを裁判所にしっかり届ける必要がある」と訴えた。

 訴訟は原発事故に対する国と東電の責任の有無が主要な争点。同種の集団訴訟はこれまで全国で7件の一審判決が言い渡され、国と東電の責任を認める流れが定着しつつあるが、請求額に比べて賠償額が低く抑えられる傾向にある。

署名の提出に臨む原告団のメンバーら=横浜地裁前

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