【侍U-23代表】2大会連続出場の広島塹江が完璧火消しでリベンジ 「前回は悔しい思いをした」

コロンビア戦に登板した侍U-23代表の塹江敦哉【写真:Getty Images】

チームで唯一、2大会連続出場となった広島の塹江

 「第2回WBSC Uー23ワールドカップ」に参戦している日本は23日(日本時間24日)、オープニングラウンド第5戦で地元コロンビアを7-2で下し、無傷の5連勝でA組1位通過を決めた。

 中盤のピンチを封じ込めたのは、16年のメキシコ大会に続き、チームで唯一2大会連続出場となった塹江(ほりえ)敦哉投手(広島)だった。2点リードの6回。1点を奪われ、さらに2死二、三塁と、一打逆転の場面でマウンドに上がると、8番ポッソをフルカウントからスライダーで空振り三振。完全アウェーの雰囲気で、スタンドから地元ファンの声援が飛び交う中、ストライクゾーンからボールになる低めの変化球を振らせ、ピンチを脱した。

 見事な火消しを見せた左腕は「1点差だったが、力を入れたからといって球が良くなる訳ではないので、いつも通り、危ないところだけケアして投げた。打者をちゃんと振らせることができたのはよかった」と冷静に分析。

 地元コロンビアファンの大歓声の中でも「気にせずやれた。スーパーラウンドにも結果が関わってくるので、5連勝できてよかったし、点差が少ない試合が今回が初めてだったので、そういうところでみんな成長できて、次につながる試合だったと思う」とチームの成長を感じ取っていた。

稲葉監督も絶賛「あのシビれる状況の中でよく抑えた」

 稲葉篤紀監督も「これまで4試合を見ていても、あまりシビれる場面がなかったが、あのシビれる状況の中でよく抑えたと思う」と、ベンチの期待に応えた21歳左腕を称えた。

 2年前の悔しさが心底にある。メキシコでの前回大会ではオープニングラウンドで格下のニカラグア戦とオーストリア戦の2試合に登板しただけ。ニカラグア戦は得点こそ与えなかったが、2/3を投げ、3四球と納得の結果を残すことはできず。スーパーラウンド以降は出番がなく、チームの優勝も心の底から素直に喜ぶことはできなかった。

「前回は力が出せず、悔しい思いをした。もう1度同じ舞台に立てるので、今回はしっかり貢献できるように頑張りたい」。2年前よりも成長できたのはメンタル面だといい「海外だと食事や移動など、思い通りいかないことがたくさんあると思うが、失敗した時の言い訳にしたくない。ここには結果を残すために来ている」と冷静だ。

 日本は明日24日(同25日)の休養日をはさみ、バランキージャで行われる25日(同26日)からのスーパーラウンドでは、B組3位の韓国、同1位のベネズエラ、同2位のドミニカ共和国と対戦する。スーパーラウンドの成績は、同組のオープニングラウンド突破2カ国との対戦成績も加味されることから、日本は2勝からのスタート。今後は油断できない強豪相手の試合が続くが、残り3試合でも勝ち星を重ね、28日の決勝進出を目指す。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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