SUPで巡る三浦半島の歴史遺産 27日にツアー

 スタンドアップパドル(SUP)で三浦半島の歴史遺産を巡るツアーを、横須賀市内でSUP教室を運営する企業が来春から始める。普段とは違う位置から地域の観光資源を眺めることで、その存在や魅力に気付いてもらうとともに、マリンスポーツの楽しさも体感してもらうのが狙い。本格実施を前に、27日にはモニターツアーを試行する。

 ツアーを企画するのは、日本SUP指導者協会の公認スクール「ヨコスカパドルクラブ」を運営する「H2(エイチツー)スポーツクリエイション」(同市長沢)。SUPを使ったさまざまな遊びを体験できる教室を開いている。

 同社代表の原良一さん(56)が、江戸時代に浦賀港の灯台の役割を果たした「燈明(とうみょう)堂」(同市西浦賀)など、三浦半島の海沿いに歴史遺産や戦争遺跡が点在していることに着目した。

 ツアーでは1人乗り用、または初心者向けで最大8人乗り用のSUPを使用。同行するガイド役の説明を海上でも聞けるよう、無線機を耳に付けてもらう。

 課題や参加者の評価を探るため、同社は27日、三浦市の油壺湾周辺でモニターツアーを行う。当日は1時間ほどかけ、太平洋戦争末期に旧海軍の特攻基地になった「東京大学三崎臨海実験所」(同市三崎町小網代)や、標高の基準を決めるために潮位を測る国土地理院管理の「油壺験潮場」(同)の旧建屋などを見て回る。ガイド役は、東京湾要塞(ようさい)研究家のデビット佐藤さん(59)が務める。

 来春以降、ペリー提督が来航した浦賀(横須賀市)や、日本(やまと)武(たけるの)尊(みこと)の妻・弟(おと)橘(たちばな)媛(ひめの)命(みこと)が海に身を投げた伝説が残る走水(同市)などのエリアでの実施を検討している。

 原さんは「樹木が生い茂る崖地にあり、歩いて近づくのが難しいスポットも多い」と指摘。「歴史好きにマリンスポーツの魅力も伝えられたら」と意気込んでいる。

 モニターツアーの定員は10人程度で、まだ空きが若干ある。参加費は5千円(昼食、保険代込み)。問い合わせは、原さん電話090(7207)5124。

初心者でも安心して利用できる、最大8人乗りのSUP(ヨコスカパドルクラブ提供)

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