海外から児童ポルノ輸出 千葉の男逮捕「生活費稼ぐため」

 ニュージーランドから児童ポルノを日本国内に輸出したとして、神奈川県警少年捜査課と瀬谷署などは24日、児童買春・ポルノ禁止法違反(児童ポルノ輸出)の疑いで、千葉県市川市、派遣社員の男(56)を逮捕した。県警が外国から国内への児童ポルノ輸出容疑で摘発するのは初めてで、全国でも立件するのは珍しい。

 逮捕容疑は2015年1月7日ごろ~2月4日ごろ、当時住んでいたニュージーランドから県内の男3人に宛てて女児の裸が写った児童ポルノDVDを国際郵便で輸出した、としている。調べに対し、容疑を認め「現地で勤めていた会社をリストラされそうになり、生活費を稼ぐためにやった」などと供述している。

 同課によると、同容疑者は00年ごろニュージーランドに移住し、現地の企業に勤めていた。10年ごろからポルノ映画などのDVD販売を始め、その中で成人男女の裸に交じって女児の裸が写ったものや、海外の性教育映画などを扱っていた。

 日本語のホームページを開設してDVDの注文を受け付け、1枚千~3千円で販売。国内に約1900人の顧客がいたといい、これまでにDVD販売などで約7500万円を売り上げていた。

 県警は、14年11月に国際郵便を検査した横浜税関からの児童ポルノに関する通報を受けて捜査を開始。これまでに輸出先だった1都10県の顧客42人の関係先を家宅捜索するなどしたほか、今年5月に同容疑者が帰国した際に自宅などを捜索し、パソコンを押収するなどして調べていた。

ニュージーランドから日本に輸出していたとして県警が押収した児童ポルノDVDなど(県警提供)

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