日本の地域医療イスラエルにも 医師志すアタウナさん

 医師を志すイスラエル人のニザル・エル・アタウナさん(25)が23、24の両日、長崎県平戸市草積町の平戸市民病院で研修し、訪問診療や老人福祉施設の見学などを通じて日本の地域医療を学んだ。
 アタウナさんはイスラエルで検診や健康相談、健康増進など多くの役割を担う家庭医を目指している。9月に同国の大学医学部を卒業。24日に医師国家試験の合格通知が届いた。
 医学生を支援する非政府組織(NGO)、国際医学生連盟の人材育成プログラムで14日に来日。長崎大学病院感染症内科でも研修した。平戸市では、高齢化が進む地域の現状も学び、同様の状況にあるイスラエルでの地域医療に役立ててもらおうと、市民病院が受け入れた。
 23日は関節リウマチの患者に肺炎の合併症がないか聴診器で呼吸音を確認。乳児健診の様子なども見学した。24日は押淵徹院長らの訪問診療に同行。在宅で長期療養生活を送る患者の治療や精神的なサポートについて学んだほか、市内の老人福祉施設も訪れた。
 アタウナさんは「患者の生活を尊重しながら寄り添う日本の医療の在り方は勉強になる。コミュニケーションを大切に、患者の幸せのために働く医師になりたい」と話した。

訪問診療を見学するアタウナさん(後方)=平戸市飯良町

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