ゲスタンプ、日本初の生産拠点始動 熱間プレス加工国内車生産に変化も

 スペインを本拠とする自動車部品の世界大手、ゲスタンプ・グループの日本初の生産拠点である松阪工場(ゲスタンプ・ホットスタンピング・ジャパン社・三重県松阪市)が、本格生産を開始した。25日には現地でオープニングセレモニーが行われ、本田技研工業やトヨタ自動車の開発者など約300人が出席。自動車メーカーの関心の高さをうかがわせた。

 ゲスタンプ・オートモシオンは、世界に108の生産拠点を持ち、インドや中国にも拠点がある。

 日本初の生産拠点は、5万9千平方メートルの所有地(三重県松阪市嬉野天花寺町)に新工場(7500平方メートル)と事務所棟(1300平方メートル)を新築し、ホットスタンプ加工ライン(1ライン)、レーザ加工ライン(4基)、品質検査室などを新設した。

 昨年7月に建設工事を開始。今年3月に工場建設が完成し、その後加工ラインの据付工事を行って計画通りに生産活動が始まった。

 現場スタッフ40人体制でスタート。年末までに60人体制とする予定。

 国内の自動車メーカー向けにシャーシやホワイトボディー向けの部品を供給し、今後、需要が増えてくれば、加工ラインを増設する計画だ。

 オープニングセレモニーでは、大室敦司ゲスタンプ・ホットスタンピング・ジャパン副社長が生産開始までの経緯や今後のビジョンなどを説明した。

 フランシスコ・ホセ・リベラス・メラ会長は「最新鋭のホットスタンピング技術を入れた製品が、ここから出荷する。EV化に伴う軽量化ニーズも視野に入れ、日本の自動車メーカーと研究開発段階から連携していきたい」などと挨拶。

 来賓として飯島彰己三井物産会長が「ゲスタンプの日本進出では、継続してサポートしてきたので、きょうを迎えて非常に喜ばしい。自動車産業は自動運転、EV化、コネクテッドなど、大きな変化の中にある。こうした中でゲスタンプが日本で果たす役割は大きい」などと挨拶した。

© 株式会社鉄鋼新聞社