アルミ圧延グレンゲス、スウェーデン工場増強 欧州EV市場で熱交材拡販

 自動車熱交換器用アルミ板最大手のグレンゲス(本社・スウェーデン)は25日、スウェーデンのフィンスポング工場を増強すると発表した。約4億スウェーデンクローネ(約49億円)を投じて、アルミ板生産能力を2割増の年12万トンに引き上げる。2021年後半までに能力増強を完了させ、欧州で広がる電気自動車(EV)需要などを捕捉していく。

 フィンスポング工場は、自動車熱交換器材などさまざまなアルミ板製品を手掛けるグレンゲスの中核拠点。欧州の自動車熱交換器市場において17年は約18%の販売シェアを誇る。現在の生産能力は年間約10万トンだが、欧州の自動車メーカーがEVやハイブリット車の生産にかじを切る中で、より品質の高い熱交換器材を求める声が高まっていたため、将来の引き合いも勘案して能力増強を決めた。

 今回の投資では新たに土地を購入して工場建屋を建設する。その上で既存設備を移転し、物流効率を大幅に改善させることで生産能力の引き上げにつなげる考え。21年までに拡張プロジェクトを完了させ、22年以降に効率化効果を顕現化していく。

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