長崎県19年度予算編成方針発表 継続事業経費30%減 人口減対策へ優先配分

 長崎県は26日、2019年度当初予算の編成方針を発表した。厳しい予測が出ている中期財政見通しを踏まえ、本年度予算同様、継続事業の政策的経費に前年度比30%減の予算要求基準(シーリング)を設定するなどして事業の見直しを進める。全体で約17億5千万円の財源効果を生み、人口減少対策などに充てたい考え。
 本県の財政状況は、県の「貯金」に当たる財源調整のための基金残高が17年度末で239億円で、ピークだった02年度の半額以下に減少している。9月に発表した中期財政見通しによると、19年度は財源不足により基金から65億円の取り崩しが見込まれる。
 19年度の予算編成方針は、個別事業の必要性や緊急性に加え、新たに事業の優先度にも着目。歳入額を踏まえて最終的な予算計上額を決め、基金に依存しない財政運営につなげる。道路や港湾、河川整備などに使う「枠内普通建設単独事業」には、前年度比10%減のシーリングをかける。ただ例外として、急傾斜地崩壊対策事業や地滑り防止事業など自然災害に関係するものは必要額を要求できる。
 シーリングで捻出した財源は、総合計画特別枠と総合計画推進枠に振り分け、人口減少などの課題解決につながる先駆的な事業に優先的に充てる。
 ただ、こうした事業のスクラップ・アンド・ビルドを進めても、財源不足を補うことはできない。県財政課は「具体的な成果に直結する政策への集中化、重点化を図るとともに、事業の総点検を進め圧縮に努めていく」としている。

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