27日に開幕するプロ野球・日本シリーズはセ・リーグ3連覇の広島東洋カープとクライマックスシリーズで下剋上を果たした福岡ソフトバンクホークスの対決となった。
サッカー界で広島といえばもちろんサンフレッチェ広島。現在J1で優勝争いを繰り広げ、Jリーグで活躍するユース出身選手も多数輩出している。
一方の福岡も、県内にアビスパ福岡とギラヴァンツ北九州と2つのJクラブがあり、また強豪校である東福岡高校と福岡大学に代表されるようにJリーグでは福岡で育った選手も数多い。
そこで、「広島と福岡」両県に縁のある5人のJリーガーをピックアップしてみたので紹介しよう。
駒野友一(アビスパ福岡)
ドイツ大会、南アフリカ大会とW杯2大会出場の実績を誇る名サイドバック。
サンフレッチェ広島で7シーズンプレー。現所属のアビスパ福岡には2016年夏に加入し3シーズン目を戦っている。
広島では2年目の2001年から右サイドバックでレギュラーに定着すると、年代別代表でも常連の選手となり2004年にアテネ五輪、さらに2006年のドイツW杯でもメンバーに名を連ねた。
当時の五輪代表がスローガンとして掲げた「アテネ経由ドイツ行き」を実現させた選手でもある。
37歳の大ベテランとなりスピードこそ落ちたものの、経験に裏打ちされた安定感とキックの精度は今も健在。J1昇格を狙う福岡でも欠かせない戦力となっている。
渡大生(サンフレッチェ広島)
パトリック、ティーラシン、ベリーシャといった強力な外国人FWとポジションを競い合う地元広島市出身のストライカー。
2012年、広島皆実高から当時J2のギラヴァンツ北九州に加入。北九州での4シーズンで着実に成長を見せると、2016年に徳島ヴォルティスに移籍。昨シーズンのJ2では日本人最多となる23ゴールの活躍でブレイクを果たした。
地元広島で初のJ1挑戦となった今シーズン、負傷による離脱もあったが第19節の横浜FM戦で念願のJ1初ゴール。
現在チームは優勝争いの真っ只中。来季ACL出場となれば選手層の厚さも必要となるだけに、今後彼にかかる期待も更に大きくなることだろう。
清水航平(ヴァンフォーレ甲府)
サンフレッチェ広島で3度のJ1優勝に貢献したサイドアタッカーは、福岡県の東海大五高(現・東海大福岡高)から広島に加入。
ルーキーイヤーの2008年はJ2を戦うシーズンだったが、その中でデビュー戦初ゴールという快挙を達成。だが、それ以降ペトロヴィッチ監督時代は出番に恵まれなかった。
2012年に就任した森保監督の薫陶を受け急成長すると左サイドでレギュラーに定着し、サンフレッチェの黄金時代を築いた一員となった。
昨年夏、期限付き移籍で清水エスパルスに加入し「清水の清水」となり話題となったが、今夏ヴァンフォーレ甲府に移籍。最近は負傷も多く苦労が続いているが、再び左サイドで躍動する姿が見たいものだ。
丹羽大輝(FC東京)
今夏、FC東京に移籍した32歳のベテランCB。
ユース時代から約16年の間ガンバ大阪に在籍していたこともあり大阪の印象が強いが、そのガンバからの期限付き移籍で2008年夏から3シーズン半プレーしたアビスパ福岡での経験がその後の飛躍につながったと言えるだろう。
2012年にガンバに復帰するとスタメンに定着し、2014年の三冠達成に大きく貢献。翌2015年には日本代表デビューも果たすなど、守備の要としての地位を確立。
現代表DF三浦の台頭もあり出番が減少した昨年夏、サンフレッチェ広島へ完全移籍すると守備の立て直しに奮闘しJ1残留に貢献した。
ピッチ外では被災地支援などチャリティー活動にも積極的で、人格者としての一面も知られている。
永井謙佑(FC東京)
福岡で育ったJリーグ最速のスピードスターだが、実は広島県福山市の出身。
福岡大在学中だった2010年1月、アジアカップ予選のイエメン戦で日本代表に招集。大学生のA代表デビューは当時話題となった。
年代別代表でも中心選手となり、卒業後はJクラブによる争奪戦の末に名古屋グランパスへ加入。
ロンドン五輪では自慢の俊足で世界を驚かせ日本の4位に貢献。その活躍が注目されベルギーのスタンダールへの移籍を果たすも、ヨーロッパの水に馴染めずわずか半年で帰国することに。
名古屋時代はサイドで起用されることもあったが、昨年加入したFC東京では一貫して最前線でプレー。やはりゴールに向かって一気に突っ走る姿こそ彼らしいと言えるだろう。