中上、MotoGPオーストラリアGP予選は「低い温度への順応に苦労」してQ1突破ならず

 MotoGP第17戦オーストラリアGP、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は予選で14番グリッドを獲得した。この日のMotoGP予選は低い気温と強い風が吹き、厳しいコンディションのなかで行われ、中上はそんな天候に苦戦することになった。

 不本意な結果に終わった日本GPの翌週。中上はフライアウエイラウンドの3戦目、フィリップアイランドサーキットで行われているオーストラリアGPに挑んだ。中上自身、超高速サーキットであるフィリップアイランドは好きなコースだと言い、フリー走行3回目までの総合順位では18番手だったものの、予選前に行われたフリー走行4回目では12番手につけ、着実な前進を見せていた。

 しかし、初日から2日目に変わったコンディションが中上を苦しめた。初日午後のフリー走行2回目のコンディションは気温16度、路面温度32度。なお、このセッションの終盤に中上は転倒を喫したものの、怪我はなかった。

 2日目、中上が挑むことになった午後の予選Q1では気温16度ながら路面温度27度と前日に比べ低めの路面温度となり、さらに強い風が吹きつける。天候もQ1セッション中は崩れることはなかったものの、その後行われたQ2直前には雨粒が落ちる難しい状況だった。

「今日は午前のセッションからフリー走行4回目、そして予選に至るまで非常に難しいコンディションで、強い風と昨日よりも低い温度条件への順応に苦労をしました」

 そう語る中上は最初のアタックではタイムが伸び悩んだものの、セカンドアタックで1分30秒452をマーク。しかしQ1トップのアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ・チーム)、ポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)には及ばず、Q1のなかで4番手、14番グリッドを獲得して予選を終えた。

フィリップアイランドは海に面したサーキット。今回のように風が強いことが多い

「各セッション、グリップを引き出すのが難しかったです。しかし、そのような状況のなかでも昨日よりもしっかりと前進できたと思います。予選ではもう少し速く走れたかもしれませんが、最善は尽くせたと思います」

 今大会では、フリー走行2回目にカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)が激しい転倒を喫し、その際に負った怪我により欠場を発表。ホンダ勢としてはポールポジションを獲得したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)を除けば、中上が最上位につけている。

「明日の決勝レースでは、いいスタートを決めたいと思います。レースは27周と長丁場ですから、タイヤマネージメントが重要になるでしょう。毎周全力を尽くして、いい結果を出したいです」

 2018年シーズンのMotoGPもこのオーストラリアGPを含めて残り3戦。ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得を目指す中上としては、同じMotoGPクラスのルーキーで上位につけるフランコ・モルビデリ(エストレージャ・ガルシア・0.0・マーク・VDS)、ハフィス・シャーリン(モンスター・ヤマハ・テック3)とのポイント差を縮めるべく、ひとつでも上位フィニッシュをねらいたいところだろう。

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