ハンク・アーロン賞はマルティネスとイエリッチが受賞

ワールドシリーズ第3戦は歴代最長の時間にして7時間20分、延長18回の死闘となった。この試合前に最長記録を更新するとはだれも予想していなかっただろう。会場となったドジャー・スタジアムでは試合開始前に攻撃面で卓越した打者を表彰するハンク・アーロン賞の受賞者が発表され、J.D.マルティネスとクリスチャン・イエリッチが選ばれた。

2人は今季、共に移籍1年目でチームをポストシーズンへ導きまさに言葉通りの原動力となった。マルティネスはダイヤモンドバックスからレッドソックスに移籍すると主砲として2年連続打率3割、40本塁打 100打点と活躍。8月には月間MVPにも輝く猛打をみせた。ドジャースとのワールドシリーズ第1戦では右足を負傷したが、第3戦でも4番打者で出場した。2014年春にアストロズから戦力外通告を受けて約5年、1度は沈んだ男が打者として史上最高の賞を手にした。

イエリッチはマーリンズからブリュワーズに移籍すると2度のサイクル安打を記録するなど走攻守に渡ってチームをけん引するとカブスとの地区優勝決定プレーオフでも4打数3安打と活躍。レギュラーシーズンでの打撃成績では打率や本塁打、打点といった部門で自己ベストを叩き出し打線の軸となった。ポストシーズンではドジャースに敗れてワールドシリーズ進出とはならなかったが、大きく飛躍した移籍1年目となった。

今回の受賞についてマルティネスは「アストロズを離れてから5年、今日の受賞は本当に祝福すべきことだよ」と喜びを語った。また、イエリッチは「今季、自分の武器は何なのか分かったことが大きかった」とシーズンを振りかえっている。ハンク・アーロン賞はこの1年の最強打者を決めるもの。選出された2人は今後、どのような活躍をみせてくれるのか。マルティネスはまずワールドシリーズを制覇を目指し、イエリッチは来季に向けて準備を進める。

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